波乱のSQ週となりました【転ばぬ先のテクニカル】

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3週続伸もローソク足は上髭陽線

先週の東京株式市場は日経平均、TOPIXともに3週続伸となりました。日経平均は前週比278円高、TOPIXは10.3ポイント高です。9日から連日高値追いとなり、日経平均は4万2426円高値まで噴き上げ、TOPIXも同様に2946.60ポイントまで上昇し、両指数ともに史上最高値を更新しました。しかし、週末12日には急落し週足ローソク足は上髭の陽線形成となりました。上髭は日経平均が1034円幅の上髭形成、TOPIXも34.6ポイント幅と大きな値幅となりました。

12日急落着地でSQ値下回る

12日の急落の切掛けは米6月消費者物価指数が市場予想を下回り、為替市場でドル円が161円後半から一時157円半ばまで円高が進行したためです。また、この日は7月限オプションSQ日でSQ値は4万1531.26円(692円安)で着地しました。前日までの急騰劇をあざ笑うかのような急落着地となりました。そしてSQ値を下回る一日となり、調整局面入りを示唆する動きとなりました。ただ、6月限SQ値が3万8535円でしたから、随分と高い位置ではあります。

天井打ち形成でトレンド転換指す

また、日経平均もTOPIXも日足のローソク足を確認すると、11日は日足の窓を空けて最高値での陰線形成。そして12日は日足の窓を空けての下放れとなりました。酒田五法ではこのような足のことを「宵の明星」と言います。また、海外では前日のローソク足を中心に左右に窓を空ける形を「アイランドリバーサル」と言います。どちらにしても天井打ち形成でトレンドが転換したことを指しています。

天井示唆の上髭抜け出すと単なる押し目

ただし、日経平均が1033円安、TOPIXが34.6ポイント安した割にプライム市場の騰落数を確認すると上昇1020銘柄、下落573銘柄とほぼダブルスコアで上昇銘柄が多いことに気づきます。日経平均を押し下げたのは東京エレクトロン、ファーストリテイリング、アドバンテスト、SBG、ディスコといった指数寄与度の高い値嵩株によるもので、これらが落ち着きを取り戻せば急騰に対するスピード調整だったということも言えるでしょう。天井示唆の上髭を抜け出すと単なる押し目だったということになりそうです。

ラッセル2000指数3.57%もの急騰

一方でナスダックとS&P500指数が最高値から大陰線を引きました。陰線包み足に近い足であり、調整局面入りなのかもしれません。6月後半から足早に上げて連日最高値を更新してきただけに、その反動安が始まったようですが、一方で11日のNY市場ではラッセル2000指数が3.57%もの急騰となりました。ラッセル2000とは、時価総額1001位~3000位の銘柄で構成されている指数です。米株市場の代表的な小型株指数ということになります。

今後は小型株や円高メリット株

物色傾向が急変したことで、東京市場でもグロース市場に資金が振り向けられました。グロース250指数はこのところ75日線が上値の壁となっていましたが、寄り付き直後から一気にブレイクして大陽線が建ちました。物色傾向が一気に入れ替わった様相であり、今後は小型株や円高メリット株に目を向ける必要がありそうです。

日々勇太朗

 

提供:株式市場新聞社 marketpress.jp
 

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