原油先物マイナス40ドル
米国原油の受け渡し場所はオクラホマのクッシングですが、そこの保管施設は既に満杯、海上タンカーも満杯です。そして、21日が最終売買日となるNY原油先物5月限は暴落し、マイナス40ドルという値を付けました。株式投資の信用取引を思い浮かべると分かりやすいと思いますが、原油先物が期日迎えとなることから、買い方はマーケットで損切するか現引きするしか手段はありません。
産油国は国家予算も組めず
しかし、現引きした原油を貯蔵しておく場所がありません。6月限りは20ドル台で取引されていますので、5月限の特殊要因での暴落ということになりますが、それにしても興味深い歴史的な価格形成が成されました。昨日も触れましたが、原油需要がありません。上がる要素がない訳です。米国のシェールオイル企業は別にして、OPECプラス各国は国営企業が多い訳です。オイルに依存している産油国は今の価格では国家予算も組めなくなるのではないでしょうか。
原油ETFなどは流れを見極めながら
しょぼい減産だけでは価格を押し上げることは難しく、今後は一定期間原油生産を止めるといったことになるのではないでしょうか。世界の経済が静止しているのですから、まずは在庫を減らさないと買い手がつきません。そのような流れが見えだせば8月限の30ドル程度までは戻すのではないかと思います。原油ETFなどはそうした流れを見極めながら仕込んでいけばよいのではないでしょうか。
債券売られたら要注意
原油急落を受けた20日のNYダウは592ドル安の2万3650ドルで取引を終えました。これで5日移動平均線を割り込んできたほか、RCI9日が26日とデッドクロス。まだMACDには余裕がありますが、一目均衡表では雲下限が上値抵抗線として意識される形となりました。下げ幅の半値戻し達成でリバウンドが終了し、下降トレンドに転換しつつあると思われます。債券に資金が流れ10年債利回りは低下していますが、債券も売られ出したら要注意です。
ポジションをできるだけ軽く
日経平均は日銀に支えられる官製相場ですが、こちらも5日移動平均線を割り込み出しました。RCIは既に先週木曜日にデッドクロスしており、一目均衡表でも右肩下がりの雲下限に沿って下落してきています。今日は1万9468円に位置する転換線を一時割り込む場面がありました。どうも東京市場もNY市場の3月の暴落に対する短期的なリバウンドが終了しつつある印象です。ポジションをできるだけ軽くしておく必要がありそうです。
日々勇太朗
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