大和ハウスは受注順調で商業施設回復待たれる

ビジネス街|企業速報 証券市場新聞

 大和ハウス工業(1925)の23年3月期第1四半期は計画を上回り、連結売上高1兆77億9500万円(前年同期比9.5%増)、営業利益596億9400万円(同2.1%増)と増収増益で着地、順調な滑り出しとなった。中期計画に沿って海外事業の成長戦略を進めたことで、米国戸建住宅事業が売上げを伸ばし、EC物流ニーズを背景にマルチ型を中心に事業施設も拡大、資材価格高騰に対応した販売価格の引き上げも順調に進んだ。
 受注も順調で国内戸建住宅は伸び悩み気味ながら、相続税対策によるニーズが底堅く、賃貸住宅は4月~8月までプラス推移。「大型物件などの変動要因はあるものの、自動車ショールームや物流施設など一定の需要がある」(会社側)としており、流通店舗、建築も前年実績を上回っている。
 世界的な金利上昇に対しては営業キャッシュフローをベースにした効率的な資金配分、資材価格高騰へは1兆円スケールのグループ集中調達で原価を低減するなど、中期計画に基づいた収益体質強化策に加え、短期的な効果を狙ってサプライヤーと協力したコスト対策も進める。ホテルや飲食関係の商業施設回復とデータセンターなどの早期収益化が待たれるところ。

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