3週連続で週足陰線
先週の日経平均は前週末比約59円安と続落、3週連続で週足陰線となった。
米国市場の長期金利上昇で株価が売られたが日銀新総裁予定の植田氏が所信聴取で大規模な金融緩和政策を継続すると発言したことにより政策変更の警戒感が後退して株価は戻した。
一時は2万7046円まで売られたがチャート上の節目では止まっており結果的には方向感に乏しい展開であった。
日本株はバリュー株の宝庫
欧米の指数を見ても上値は重いが下値も固いもみ合い状態の指数が多い。
指数に大きな影響を与えるグロース株の動きが悪いがバリュー株が買われている為底堅さが出ているようだ。
PBR1倍割れしているようなバリュー株が買われるのが今年の特徴であるがもともと割安に放置されていた日本株はバリュー株の宝庫である。
しかも、東証がPBR1倍割れの企業に開示を強く要請するとする「改善計画」に本腰を入れておりアクションを起こす企業が増えると予想されている。
自社株買いで急騰するシチズン
先々週にはシチズン時計が発行済みの25.61%に相当する7500万株を上限とする自社株買いを発表した。
シチズンは実質無借金で現預金を約1000億円抱えるがPBRでは0.73倍程度であったが発表後株価は急騰、0.99倍まで上昇した。
今まで利益を貯め込んでいた企業が東証の指導もあり財務指標改善に向き合い始めたいい例だと思う。
MSCIジャパンバリュー株は07年最高値に迫る
これからもこのような企業は増えると思われるが株価が上昇したら割安株ではなくなる。
バリュー株の指標の一つの「MSCIジャパンバリュー株(円建て)」は現在2007年2月の最高値(1833ポイント)に迫る状況である。
世界的に運用資金が金利上昇によりグロース株が売られバリュー株に向かった証左ではあるがこの指数のチャートから読み取れることは指数が高値を超えてくると急速に失速するということだ。
日本の株式市場の更なる変化に期待
冷ややかに見ればバリュー株はグロース株と違って株価が上昇すれば割安ではなくなるので債券などに乗り換えられるということだ。
この資金をつなぎとめるには更なる財務改善や業績向上が必要になってくる。東証の「改善計画」の影響で変わりつつある日本の株式市場の更なる変化に期待したい。
今週も上値の重い展開
今週の日経平均も上値の重い展開を想定する。
チャートでは以前昨年8月の高値を起点とする上値トレンドライン(2万7800円処)を抜けておらず上値を切り下げる状態になる。
一方、下値も13週移動平均線(2万7055円処)や日足の雲の上限(2万7082円処)が意識される展開となりこの間の動きとなりそうである。
再び下値を試す展開になった時には1月23日の窓埋め(2万6938円28銭)も視野に入ろう。
今週は2万6900円~2万7800円を想定。
(ハチロク)
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