クレディ・スイスに飛び火【転ばぬ先のテクニカル】

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クレディ・スイス経営不安で反落

昨日の東京株式市場は反落しました。15日の海外市場ではスイス第2位の銀行であるクレディ・スイスの経営不安が浮上。クレディ・スイスは近年、ブルガリアの麻薬組織によるマネーロンダリング(資金洗浄)を巡る有罪判決やモザンビークでの汚職への関与、そして元従業員と幹部が関与したスパイ・スキャンダル、顧客データのメディアへの大量リークなど不祥事が相次いでいました。

15日終値は上場来安値を更新

更に、破綻した英金融ベンチャー、グリーンシル・キャピタルの創業者レックス・グリーンシル氏や、破綻に至ったアルケゴス・キャピタル・マネジメントとの関係が明らかになるなど、内部統制の甘さが浮き彫りになり、昨年後半に前例のない規模の顧客流出が進みました。そのため度々経営不安説が流れていましたが、筆頭株主のサウジ・ナショナル・バンクが追加出資できないと明らかにしたことが明らかになり、15日の終値は前日比13.94%安の2.16ドルと上場来安値を更新しました。

スイス中銀が流動性供給

大きくて潰せないと言われる巨大銀行であり、スイス金融市場監査局とスイス国立銀行(中央銀行)は、クレディは「システム上重要とされる銀行に課される資本と流動性の要件を満たしている」と強調する一方、必要に応じて流動性を供給すると発表し、日本時間で昨日の10時過ぎに500億フラン(約7兆1000億円)をクレディが国立銀行から借り入れると発表しました。

影響の波及を慎重に見極める

そのため東京市場では寄り付きから売り気配で急落した銀行株が徐々に下落幅を取り戻す展開となりましたが、依然として不安心理に駆られた預金者による取り付け騒ぎリスクがくすぶっているようです。株価の戻りが限られる展開であり、底入れしたと言い切れる状況ではありません。銀行間の取引システムにおいてドルの調達コストが上昇している兆候が見られているといった報告もあり、影響の波及について慎重に見極める必要がありそうです。

景気敏感株も株価の崩れ

また、銀行の経営破綻などの事態悪化に歯止めが掛かったとしても、今後は金融機関の貸し渋りや貸しはがしといった形で実体経済へ影響する可能性も想定しておく必要があるでしょう。そのため景気敏感株にも株価の崩れが観測されてきており、安心して買える状況ではありません。

日経平均下放れ陽線で四空形成

さて、日経平均は下放れの陽線形成となりました。3月9日高値からは四空形成。日経225先物ナイトセッションでは一時2万6190円まで売られる局面がありましたので、先物の日足ローソク足は長い下髭の陰線形成となりました。現物の日経平均は一時2万6632円安値までありました。ここには昨年11月高値と12月高値を結んだ、当時のダウントレンドの延長線が走っています。

昨日の急落で底打ちした可能性も

2月にこのトレンドラインを突破してから株価上昇に拍車が掛かりましたが、その後の押し目ではトレンドラインがサポートラインとして機能(2月22日安値)しましたので、昨日の急落で底打ちした可能性もあり、注目段階を迎えています。ここで底打ちしたとすれば、まずは直近下げ幅の半値戻しとなる2万7683円近辺がターゲット。

サポートライン割り込めば…

逆にサポートラインを割り込んでしまう場合には、1月20日と23日に残した窓(2万6553円)が最初の止まり目で、そこでも止まらない場合は本年大発会安値の2万5661円まで節目がありません。

日々勇太朗

 

提供:株式市場新聞社 marketpress.jp
 

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