SVB破綻で利上げ急ブレーキ【潮流】岡山 憲史

潮流|株式市場新聞
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リーマン・ショック後で初の銀行破綻

3月10日に米シリコンバレー銀行(SVB)が経営破綻し、12日には米銀シグネチャー・バンクが破綻した。2008年のリーマン・ショック後、初の銀行破綻となったSVBは資産規模が2090億ドル(28兆円)と史上2位の規模だ。シグネチャー銀の破綻はこれに次ぐ3位となる。
激しい物価高(インフレ)抑制のため、米国では大幅利上げが進み、金融機関が保有する資産に「含み損」が発生。これに預金流出が重なり、経営が行き詰まった。

IPOの記録的な急減が窮地を招く

SVBは預金の6割超をハイテクやヘルスケアのスタートアップ企業が占める。同社の破綻には、2022年以降の新規株式公開(IPO)の記録的な急減が窮地を招いたという特殊要因が大きい。
シグネチャー・バンクは暗号資産(仮想通貨)関連企業との取引で知られている。銀行監督を担う米連邦準備制度理事会(FRB),SVBとシグネチャー銀の預金を管理下に置く米連邦預金保険公社(FDIC)は共同声明で、両行の預金の全額保護を表明した。

欧米の中央銀行の対応は速い

また、15日には経営再建中のスイス金融大手クレディ・スイス・グループ(CS)の株価が急落し、信用不安が高まった。翌日にはスイス国立銀行(中央銀行)の資金供給策を使って最大500億スイスフラン(約7兆1000億円)を調達する用意があると発表した。
中央銀行は「先制して流動性を強化するため断固たる行動を取る」と強調した。欧米の中央銀行の対応の速さは金融収縮を回避する強い意思表示だ。

株価急落場面は買い場?

利上げがもたらした金融不安は欧米の中央銀行が積極的に進めている利上げに急ブレーキをかけることになる。インフレ抑止と金融不安のどちらが重要かは、はっきりしている。FRBによる利上げの正当性に対する不透明感が強まることを背景に今回の株価急落場面は買い場になるかもしれない。

米ダウ平均急落下でナスダックは3日間続伸

2023年2月の米雇用統計で賃金上昇率がピークアウトし、政策の目標が利上げ以外の経路で実現されているとすれば、もはや利上げは必要ないということにもなる。それを裏付けるように米国の国債利回りは急低下し、米ダウ平均が急落する中、GAFAMといったハイテク企業が多いナスダック総合指数は3月13日から3日間続伸している。日本は外人投資家が225先物に買いを入れるか注目だ。

潮流銘柄は?

潮流銘柄はリミックスポイント(3825)、NTT(9432)、トーホー (8142)

 

岡山 憲史(株式会社マーケットバンク 代表取締役)プロフィール

マーケットバンクは1999年12月8日の設立から投資支援システムの開発・販売、金融情報サービス、投資売買助言、運用コンサル等を行っている。
2002年には画期的なペアトレード「ハイブリッドシステム」を開発。NHK番組「経済最前線」で紹介される。
2006年にテクニカル分析システム「マーケットルーラー」を開発。2007年にはテクニカル応用ツール「窓チャートシステム」を開発。2つの投資分析システムは全国の投資ソフト450本の中で共に人気ランキング1位となり、高い評価を得る。また、日経225先物運用システムを開発し、実践に活かしている。

代表の岡山憲史氏は1999年2月 日本初の資産運用コンテスト「第一回S1グランプリ」にて1万人超の参加者の中から優勝。
このコンテストはスカイパーフェクTVの資産運用情報番組「インベステーション」が主催。ゴールドマン・サックス投信、クレディスイス投信、野村アセットマネジメント投信などの協賛を得て行われたもので、プロの運用担当者などを含む1万人超の参加者を集めて実施。コンテストの開催時期(98年11月16日~99年2月15日)で、1億円の資金を1億3112万円(運用期間年利回り124%)に増やすという高成績をあげ、文句なしの優勝を果たす。
第二回大会においても、2カ月間で1億円の資金を2億1600万円に倍増させ、6位入賞。
2002年 1月 NHK番組「経済最前線」にて独自の投資支援システムが紹介される。
2005年12月 TBS番組「筑紫哲也のNEWS23」にて勝ち組企業として紹介される。
2017年 1月 夕刊フジ主催の「株-1グランプリ」において優勝。
2020年 1月 夕刊フジ「激闘!!株-1(カブワン)グランプリ」で優勝。
2022年 1月 夕刊フジ主催「株-1グランプリ」で優勝。
株式市場新聞、週刊ポスト、週刊現代、フライデー、月刊カレント等を執筆。
個人投資家に投資情報や個別銘柄、日経225先物の助言業務を行っている。

提供:株式市場新聞社 marketpress.jp




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