フィリバスター【転ばぬ先のテクニカル】

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日々の値下がり銘柄多い歪んだ展開

昨日の東京株式市場は大幅反落となりました。このところ指数優位の展開でしたが、日々の値下がり銘柄が多い歪んだ展開が続いてきました。5月相場は立ち合い日数20日間でしたが、その内15日間で日経平均が値上がりしました。しかし、その15日間のうち6日間もプライム市場の騰落数は値下がり銘柄数のほうが多かったのです。

下落が一過性のものか問われる一日

この歪な展開はこの数日お伝えしてきましたが、昨日は牽引役の値嵩株が売られたことで、一気に値幅を伴った下落となりました。月末ということでリバランスの売りが一斉に持ち込まれたものと思われますが、本日はこの下落が一過性のものなのかどうかが問われる一日になりそうです。

債務上限問題は予断を許さない状況

さて、米下院議事運営委員会は30日、連邦債務上限を一時的に停止する法案を7対6の賛成多数で可決しました。法案は本会議に送られ、日本時間本日9時半ごろに下院で採決される予定だそうです。ただ、共和党の強硬派議員らは、米国のデフォルト(債務不履行)回避を目指したホワイトハウスとマッカーシー下院議長の合意に対し、報復すると警告しており、予断を許さない状況のようです。

マッカーシー議長解任動議採決を計画

例えば、ビショップ下院議員はマッカーシー氏が民主党に「降伏」したと非難した上で、マッカーシー議長解任動議の採決を計画していると述べています。また、ロイ下院議員は下院共和党は合意によって「ばらばらに引き裂かれた」とし、「たとえ何が起きようとも、報いを受けることになるだろう」と語り、更に共和党保守強硬派の下院議員連盟「フリーダム・コーカス」の会長を務めるペリー議員は、債務上限を巡る合意は「約束を果たしていない」と発言。

期限ギリギリまでかかる可能性

共和党は下院の多数派を握っているものの議席数は222対213と小差のため、数人の共和党議員が動議に賛成票を投じた場合は、民主党議員の支持を得られない限り、マッカーシー下院議長が解任される可能性があると伝わっています。下院で仮に妥協案が可決されたとしても、上院は時間との勝負で期限ギリギリまでかかる可能性もあります。

上院の審議は全会一致以外は1週間かかる

共和党のリー議員は大幅な歳出削減がない限り「あらゆる手段を使って妨害する」と宣言しているし、民主党カイネ議員Mountain Valley Pipeline建設再開を除外する修正案を、そして共和党グラハム議員、ポール議員は国防費関連での修正案を提出予定です。上院の審議はそもそも全会一致以外は1週間かかるのが通常なのであり、しかも修正案一つ一つを審議しなければなりません。

議事妨害200年以上も繰り返される

米国政治を巡る報道の中で、「フィリバスター」という言葉を耳にされたことはあるでしょうか。日本では、与野党の対立の中で、野党による牛歩戦術が報じられることがありますが、こうした議事進行を妨げる行為は米国でも行われており、とりわけ、米国上院では、「フィリバスター」と呼ばれる議事妨害が200年以上もの間、繰り返し行われています。

Xデーまでに可決できるかは微妙

フィリバスターとは、上院規則19条で、「いかなる上院議員も、他の議員の討論を、その議員の同意無しには中断させることができない」と定められ、原則的に議員の発言時間が無制限となっていることを利用し、長時間にわたり討論を続けることで、議事進行を意図的に遅延させる行為です。上記の修正案もフィリバスター戦術ということでしょうから、Xデーの6月5日までに可決できるかどうかは微妙なのです。

クローチャー決議必要議席確保も重要な意味

もっとも、フィリバスターが際限なく認められれば、上院、ひいては連邦議会が機能不全に陥る恐れがあることから、現在は全議員の5分の3以上(60議席以上)の賛成を得て、「クローチャー(討論終結)」と呼ばれる決議を行えば、議員の発言時間に制限が設けられ、討論を終了させて議決に持ち込むことができます。このため、上院選挙時においては、議事進行を優位・円滑に進められるよう、議席の過半数はもとより、クローチャー決議に必要な60議席の確保も重要な意味を持つことになります。

ギリギリの攻防は望むところ

私としては、ここで大揉めして株価が一時的に急落してくれることを願っています。債務上限問題はプロレスみたいなもので、毎度繰り返される茶番劇です。そのため、毎度株価が下がったところが絶好の買い場を提供する格好となっていますので、ここでのギリギリの攻防は望むところということです。

日々勇太朗

 

提供:株式市場新聞社 marketpress.jp
 

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