海外勢11週ぶりに売り越しに転じる【転ばぬ先のテクニカル】

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値嵩半導体売られ反落

昨日の東京株式市場は、21日のNY主要3指数の3日続落を受け、東京市場の寄り付きは売り先行スタート。例によって押し目買いが入り、一時プラス圏入りする場面もありましたが、半導体SOX指数が連日下落したことで、値嵩半導体株が売られて日経平均は約1%の反落となりました。

セクターローテーションによる一極集中の修正

最近の米国市場は、これまでの上昇を牽引してきた情報技術、通信サービス、一般消費財の3セクターが売られています。一方で、出遅れ組のエネルギー、公共が買われており、6月は景気敏感セクターがアウトパフォームしています。セクターローテーションによる一極集中の修正が進んでいる訳で、東京市場でも今後は同様のセクターローテーションにより、年初来高値圏にいるハイテクセクターは更に売られるかもしれません。

今回の下方転換は注意が必要

日経平均は310円安の3万3264円で引けたため、5日線が下向きに転換しました。GW明け以降、5日線を割り込むことはあっても、下向きに転じる前に上値トライを繰り返してきただけに、今回の下方転換は注意が必要と思われます。

海外勢先物を売り越す

昨日の引け後に6月12日~16日の投資部門別売買状況が発表されました。それによると海外勢は現物株は6414億円と12週連続買い越しましたが、先物は6572億円売り越しており、現物と先物合計では11週ぶりにわずか157億円ですが売り越しに転じました。現物株に関しては年金など足の長い資金のフォローでしょうが、先物へは短期筋の資金が多く、ここで売り越しに転じてきたことは警戒せねばならないということでしょう。

個人投資家は高配当が銘柄選別の主役

ところで、雑誌「日経マネー」が約8千人の個人投資家を対象に行った調査結果を発表しました。この調査は4月18日から5月9日にかけて行われ、「自分に最も当てはまる投資スタイル」を一つだけ選ぶ設問では、回答の割合の多かった順に下記のような結果になっています。
日本主体:高配当・優待狙いなどの利回り投資 26.0%
日本主体:大型優良株中心の王道投資 19.9%
海外主体:ETFやインデックス投信を使った国際分散投資 14.6%
海外主体:欧米先進国主体の先進国投資 8.4%
日本主体:割安株の修正をじっくり待つバリュー投資 7.3%
銘柄の選別基準を聞いた設問でも「配当利回り」をあげた人が最も多く、高配当が銘柄選別の主役となっています。

アルペンは配当利回り2.47%で株主優待も

そこで、今月決算企業でアルペン<3028>に注目してみたいと思います。配当は半期25円、年間50円で現在の株価から予想配当利回りは2.47%です。また、6月と12月に自社店舗や施設で使える株主優待制度を実施しています。

2000円前後で揉み合いPBRは0.69倍

株価はコロナ禍の中で21年6月期に大幅増収益となり、株価は同年8月に3865円まで上昇しましたが、その後は感染再拡大の影響や在庫圧縮方針などから減収減益で株価も下落。足元は2000円前後でほぼ1年半に渡って揉み合い状態となっています。なによりも東証プライム上場でPBRが0.69倍。一株純資産は2918円であり、取引所からPBRを1倍以上に引き上げるよう改善指導がされているはずです。

利益剰余金多く大幅増配すれば…

最近はスタンダードへ降格申請する企業も出てきていますが、アルペンの魅力は利益剰余金が多いことです。会社四季報をみると資本金151億6300万円に対し有利子負債は50億円。そして利益剰余金が751億7700万円もあります。発行済み株式が3888万株なので50円配当なら年間19.4億円。利益剰余金をこれほど積み上げる必要はなく、PBRを1倍以上に引き上げるならば、利益剰余金を取り崩して大幅増配すれば簡単だと思うのですが…。

日々勇太朗

 

提供:株式市場新聞社 marketpress.jp
 

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