半導体への積極財政【潮流】岡山 憲史

潮流|株式市場新聞
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過熱感は拭えない

日経平均は長期トレンドを示す200日移動平均(2万8098円、20日時点)からの上昇乖離が足元で20%近くとなった。過熱感は拭えない印象で一段の上値追いには慎重になるところだ。

PBR1.4倍で天井を打つ傾向

日経平均のPBR(株価純資産倍率)は20日時点で約1.4倍となった。過去の株高局面を振り返るとこの水準で天井を打つ傾向がある。日経平均は6月14日~22日まで3万3500円を挟んでボックス相場となり、右肩上がりの上昇から上値が重くなっている。

海外投資家の先物売り

6月第2週(12日~16日)の投資部門別株式売買動向(東証・名証の合計)によると、海外投資家(外国人)は6414億円買い越した。買い越しは12週連続となる。しかし、この間の先物の投資部門別株式売買動向(日経平均先物、TOPIX先物、ミニ日経平均先物、ミニTOPIX先物の合計)によると、海外投資家(外国人)は6572億円売り越した。日経平均の上値が重い要因は海外投資家の先物売りが要因といえる。

半導体株が相場をリードしていた

また、6月22日には半導体関連株が大幅安となった。日経平均寄与度の高いアドバンテストや東京エレクトロンが急落し、ソシオネクストがストップ安となった。ソシオネクストは4月の安値から株価が3倍にもなった。短期間でこれだけ急騰すれば下がり方も激しくなる。ただ、日本株の上昇が際立っていたのは半導体株が相場をリードしていたからだ。

日本政府が半導体分野での巻き返し図る

米半導体株の大幅上昇に牽引される形で上昇が続いてきた。日本政府が半導体分野での巻き返しを図るため外国企業の積極誘致に動いており、米マイクロン・テクノロジーが広島に最大5000億円の投資を表明、半導体の受託生産で世界最大手の台湾企業「TMSC」は8000億円をかけて熊本県に工場を建設しており、今年9月までに完成させ、来年12月までに出荷を開始予定だ。さらに2ヶ所目の工場建設も検討している。

半導体株は再度上昇に向う

さらに、次世代半導体の量産を目指すラピダスが北海道に進出する。総投資額は5兆円にも及ぶ。政府に2兆円の支援要請を行なう。生成AI(人工知能)への期待と政府の支援が株高に繋がっている。つまり、半導体への積極財政である。「積極財政=株高」となる。半導体株は大幅に下落しても再度上昇に向うことになるだろう。

潮流銘柄は?

潮流銘柄は凸版印刷(7911)、鹿島建設(1812)、ソフトバンクグループ(9984)

 

岡山 憲史(株式会社マーケットバンク 代表取締役)プロフィール

マーケットバンクは1999年12月8日の設立から投資支援システムの開発・販売、金融情報サービス、投資売買助言、運用コンサル等を行っている。
2002年には画期的なペアトレード「ハイブリッドシステム」を開発。NHK番組「経済最前線」で紹介される。
2006年にテクニカル分析システム「マーケットルーラー」を開発。2007年にはテクニカル応用ツール「窓チャートシステム」を開発。2つの投資分析システムは全国の投資ソフト450本の中で共に人気ランキング1位となり、高い評価を得る。また、日経225先物運用システムを開発し、実践に活かしている。

代表の岡山憲史氏は1999年2月 日本初の資産運用コンテスト「第一回S1グランプリ」にて1万人超の参加者の中から優勝。
このコンテストはスカイパーフェクTVの資産運用情報番組「インベステーション」が主催。ゴールドマン・サックス投信、クレディスイス投信、野村アセットマネジメント投信などの協賛を得て行われたもので、プロの運用担当者などを含む1万人超の参加者を集めて実施。コンテストの開催時期(98年11月16日~99年2月15日)で、1億円の資金を1億3112万円(運用期間年利回り124%)に増やすという高成績をあげ、文句なしの優勝を果たす。
第二回大会においても、2カ月間で1億円の資金を2億1600万円に倍増させ、6位入賞。
2002年 1月 NHK番組「経済最前線」にて独自の投資支援システムが紹介される。
2005年12月 TBS番組「筑紫哲也のNEWS23」にて勝ち組企業として紹介される。
2017年 1月 夕刊フジ主催の「株-1グランプリ」において優勝。
2020年 1月 夕刊フジ「激闘!!株-1(カブワン)グランプリ」で優勝。
2022年 1月 夕刊フジ主催「株-1グランプリ」で優勝。
株式市場新聞、週刊ポスト、週刊現代、フライデー、月刊カレント等を執筆。
個人投資家に投資情報や個別銘柄、日経225先物の助言業務を行っている。

提供:株式市場新聞社 marketpress.jp




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