11週ぶりの反落【転ばぬ先のテクニカル】

転ばぬ先のテクニカル|証券市場新聞
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買い先行もマイナス圏に入ると急激に下げ幅拡大

昨日の東京株式市場は続落しました。海外市場でドル円相場が143円台まで円安進行したことで寄り付きは買い先行スタート。しかし、日経平均は9分間で269円高の3万3533円高値まで上げると売り物が持ち込まれ、10時頃にマイナス圏に入ると急激に下げ幅を拡大しました。

海外勢先物売りに警戒感広がる

22日の引け後の発表された6月12日~16日の投資部門別売買状況で、海外勢が先物を6572億円売り越していたことが分かり、警戒感が広がったということです。やはり、5日線が下向きに転じたことで、日本株の上昇基調が変調をきたしていたということでしょう。

一目均衡表転換線割り込む

一目均衡表に目を向けると、日経平均は転換線を割り込みました。転換線は過去9日間の最高値を最安値の平均を結んだ線で、相場の中期的な方向性を示します。直近9日前の日経平均は584円高、8日前は483円高しており、転換線は受動的に上昇することになり、26日(月曜日)には転換線が3万3430円まで上昇しますので、足元の株価が9日間の最高値である3万3772円を上抜けない限り、上値を重くします。

週足下方転換の判断には時間要す

日経平均の週足上昇は10週で止まり、11週ぶりに下落しました。週足ローソク足は最高値圏で「陽の陰孕み」となりました。26日が下寄りして週足陰線形成となるならば相場は下方転換したということになりますが、それは6月最終週の5日間が経過しないと分からないため判断には時間を要します。

GPIFリバランスは約5兆円規模の売り

しかし、今週は月末に向けて年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)からリバランスの売りが持ち込まれると言われています。GPIFのポートフォリオに占める日本株比率は25%が上限ですが、足元の株価急騰で27.8%程度にシェアが上がっているそうで、約5兆円規模の売りが出てくると言われています。

短期筋の行動如何で値幅を伴った空中戦

また、7月10日過ぎには上場ETFが決算を迎えます。そのため配当金捻出のために1兆1000億円前後の現物売りが持ち込まれることになります。売り需給要因が多いことは分かっていることで、株価にはある程度は織り込まれているはずですが、ヘッジファンドなどの短期筋が先回りの売りを入れていることでしょうから、彼らの行動如何で値幅を伴った空中戦が行われることになりそうです。

上げ幅の1/3押しあっても驚きはない

日経平均は3月16日の2万6632円から今月19日の3万3772円まで7140円も急騰しました。ここで調整に入った場合はこの上げ幅の1/3押しとなる3万1400円近辺までの下落があっても驚きはないでしょう。

全テクニカルポイン割らない限り崩れない

現在、25日移動平均線が3万2140円近辺に、5週移動平均線が3万2200円近辺に、13週移動平均線は3万140円近辺に、そして5か月移動平均線は2万9200円近辺を走っています。日足の一目均衡表・基準線は3万2165円に、週足・転換線は3万1061円に、そして月足・転換線が2万9711円に位置しています。これら全てのテクニカルポイントを割らない限り相場が崩れることはないでしょう。

出来るだけ引き付けながら買い場探し

連日の上げに追随できず、利食い売りを積み上げてきた国内勢の待機資金は潤沢です。ようやく訪れた調整局面であり、出来るだけ引き付けながら買い場探しということになります。

米銀行ストレステストの結果が大注目

尚、スケジュール的には28日(水)のFRBによる米銀行へのストレステストの結果が大注目となります。

日々勇太朗

 

提供:株式市場新聞社 marketpress.jp
 

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