7月は日銀が動くかもしれない【転ばぬ先のテクニカル】

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急騰の反動と買い手控え

昨日の東京株式市場は前日、日経平均が500円を超す上げとなったこともあり、その反動による利益確定売りが出た形で反落しました。今月は、決算を迎える上場投資信託(ETF)の分配金捻出のため、約1兆1000億円の換金売り需要が発生すると予想されており、需給悪化懸念から積極的な買いを手控える向きもあるのでしょう。

薬品株が足引っ張る

また、4日の米国市場は独立記念日の祝日のため、海外投資家のフォローも限られる状況下、日経平均採用銘柄の第一三共が英アストロゼネカと開発中の非小細胞肺がん治療薬の第3相臨床試験で主要評価項目の一つである「全生存期間」で有意な改善を示さなかったと発表したことで株価が一時ストップ安まで売られ、薬品株全般が足を引っ張る展開となりました。

人手不足著しく過去にない値上げラッシュ

前日、日銀短観が発表されましたが、この日は1日遅れで業種別の詳細が発表されました。中でも宿泊・飲食の業況は集計が始まった2004年以降で最高ですが、一方で人手不足は著しく、過去にないほどの値上げラッシュとなっています。これを見せられると今月の日銀金融政策決定会合(7月27~28日)では、イールドカーブコントロールの許容範囲の変更など、なんらかの施策が打たれる可能性を感じます。

銀行株に資金流れTOPIX優勢

マーケットはそのあたりを先取りする格好で銀行株に資金が流れており、日経平均よりTOPIX優勢の展開となりました。

ABNアムロがコールオプション大量売り

ところで3日のオプション取引の手口を見ると、大口投資家のABNアムロ証券がコールオプションを大量売りしていました。権利行使価格3万3750円を450枚、3万4000円を1116枚、3万4250円を341枚利食い。一方で、プットオプションでは3万3375円を98枚、3万3250円を251枚、3万3000円を366枚買っており、来週のオプションSQでは3万4000円以下、出来れば3万3000以下を狙ったポジション構築をしたようです。

来週末のSQまで空中戦も

昨日の下落でプットオプションは利食いに回っているかもしれませんが、3万4000円以上には行かないという強い意志を示した売買が目を引きました。逆に考えると、日経平均が3万4000円に乗せるとアムロはオプションのヘッジで先物を買わざるを得ず、その場合は一気に急騰するということになりますので、来週末のSQまで空中戦が繰り広げられるかもしれません。

日々勇太朗

 

提供:株式市場新聞社 marketpress.jp
 

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