日本企業の構造変化に外国人買い【潮流】岡山 憲史

潮流|株式市場新聞
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海外投資家は7255億円の買い越し

8月第5週(28日~1日)の先物の投資部門別株式売買動向(日経平均先物、TOPIX先物、ミニ日経平均先物、ミニTOPIX先物の合計)によると、海外投資家(外国人)は6287億円買い越した。
現物株(東証・名証の合計)との合算では9680億円買い越しだった。反対に個人は1兆1681億円の売り越しになっている。先物だけを見ると8月第4週(21~25日)も968億円の買い越しとなり、2週間の合計で7255億円の買い越しとなる。

外国人の先物買いで高値

日経平均は8月18日に3万1275円で底を打ち、9月7日には一時、3万3322円の高値を付けた。日経平均を2047円も上昇させたのは外国人の先物買いが要因であることが分かる。8月のジャクソンホール会議で、パウエルFRB議長は必要に応じて追加利上げの用意があり、インフレ率が目標の2%に向かって低下するまで景気抑制的な金利水準を据え置くとしている。

中国不動産不透明でも約33年ぶり高値

また、中国不動産業界問題が表面化したのは2021年9月、大手不動産開発企業「恒大集団」の債務危機だった。今は中国不動産最大手の碧桂園控股(カントリー・ガーデン・ホールディングス)の債務不履行(デフォルト)が懸念されている。
中国では年内にも社債がデフォルトしかねない不動産企業は65社もあるという。不動産企業は必死に債務返済に励むが、借金が大き過ぎて追いつかない。この様な不透明感が強まる中でも9月に入って、日本株式市場は主要企業の値動きを示す東証株価指数(TOPIX)がバブル期後の最高値(2337.36)を上回り、1990年7月以来、約33年ぶりの高値を更新した。

日本の変化に海外投資家が注目

多くの企業が営業レバレッジ(固定費の削減による売上高増加での増益効果)を高めて利益を伸ばし、自社株買いや増配といった株主還元を進めており、企業の構造的変化が起っている。また、海外でインフレは懸念材料だが、日本にとっては長期デフレからインフレに向うことを市場は好評価している。
失われた30年から脱却しようとしている日本の変化に、海外投資家(外国人)が注目し、日本の株を買っている。

日本株は更に上値を切り上げていく?

9月21日のFOMCで政策金利の引き上げ終了がはっきりと意識されれば、大きな懸念材料が解消され、日本株は更に上値を切り上げていくだろう。

潮流銘柄は?

潮流銘柄は双日(2768)、オリックス(8591)、横河ブリッジホールディングス(5911)。

 

岡山 憲史(株式会社マーケットバンク 代表取締役)プロフィール

マーケットバンクは1999年12月8日の設立から投資支援システムの開発・販売、金融情報サービス、投資売買助言、運用コンサル等を行っている。
2002年には画期的なペアトレード「ハイブリッドシステム」を開発。NHK番組「経済最前線」で紹介される。
2006年にテクニカル分析システム「マーケットルーラー」を開発。2007年にはテクニカル応用ツール「窓チャートシステム」を開発。2つの投資分析システムは全国の投資ソフト450本の中で共に人気ランキング1位となり、高い評価を得る。また、日経225先物運用システムを開発し、実践に活かしている。

代表の岡山憲史氏は1999年2月 日本初の資産運用コンテスト「第一回S1グランプリ」にて1万人超の参加者の中から優勝。
このコンテストはスカイパーフェクTVの資産運用情報番組「インベステーション」が主催。ゴールドマン・サックス投信、クレディスイス投信、野村アセットマネジメント投信などの協賛を得て行われたもので、プロの運用担当者などを含む1万人超の参加者を集めて実施。コンテストの開催時期(98年11月16日~99年2月15日)で、1億円の資金を1億3112万円(運用期間年利回り124%)に増やすという高成績をあげ、文句なしの優勝を果たす。
第二回大会においても、2カ月間で1億円の資金を2億1600万円に倍増させ、6位入賞。
2002年 1月 NHK番組「経済最前線」にて独自の投資支援システムが紹介される。
2005年12月 TBS番組「筑紫哲也のNEWS23」にて勝ち組企業として紹介される。
2017年 1月 夕刊フジ主催の「株-1グランプリ」において優勝。
2020年 1月 夕刊フジ「激闘!!株-1(カブワン)グランプリ」で優勝。
2022年 1月 夕刊フジ主催「株-1グランプリ」で優勝。
株式市場新聞、週刊ポスト、週刊現代、フライデー、月刊カレント等を執筆。
個人投資家に投資情報や個別銘柄、日経225先物の助言業務を行っている。

提供:株式市場新聞社 marketpress.jp




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