貿易戦争による経済懸念は杞憂に終わる【潮流】岡山 憲史

潮流|株式市場新聞
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7月の海外投資家は7683億円の買い越し

7月の投資部門別売買状況では、海外投資家が現物と先物の合計で7683億円の買い越しだった。4月から7月までの先物買い越し額は2.54兆円。1~3月に海外投資家は先物を6.1兆円売り越しており、3.5兆円程度の売りが残っている。

外国人投機筋は弱気になっている投資家心理を煽る

8月第1週は2033億円の売り越しとなった。これは投機筋が「円買い・先物売り」のプログラム売買を強めたからだ。米国の対中制裁関税第2弾に対して中国は同様の報復措置を発表しており、米中貿易戦争の拡大懸念に加え、日米通商協議(FFR)の初会合が9日ワシントンで開催されるが、難航予想もみられ、新たな貿易摩擦懸念が浮上するといった弱気材料をもとに投機筋は「円買い・225先物売り」のプログラム売買を行った。またいつものように、この場に及んで外国人投機筋は弱気になっている投資家心理を煽っているのだ。

外国人投資家による日本株買いは今後も続く

結局、日米の貿易摩擦が懸念されているほどではないとみると、投機筋は「円売り・先物買い」のプログラム売買を入れる。外為市場では円安が進み、4月からの外国人投資家による日本株買いは今後も続くことになるだろう。

米中貿易紛争は新たな投資を生み出す可能性も

米中貿易紛争への懸念をメディアが騒いでいるが、こうした紛争も一方では、これまでのグローバリズムを前提としたサプライチェーンの再構築を促す可能性があり、それは必ずしも経済にとってはマイナスとなるわけではなく、新たな投資を生み出す可能性すらあるのだ。関税引き上げの前の仮需の発生と、その反動を意識させ、メディアなどがネガティブな報道をするが、これは最終需要の駆け込み需要と、その反動といった消費増税で発生するようなものと同じではない。

負の影響を緩和する政策も

最終需要に大きな影響を与える可能性は付加価値税とは全く違う上に、米中の現政権の存続理由は、自国経済の成長にあるとはっきりと認識していることを考えても、実体経済への大きなマイナスの影響は避けられる可能性の方が高いといえる。既に関税引き上げによる負の影響を緩和する政策を両国共に徐々に取り始めていることを考えても、メディアや市場関係者が指摘するような経済懸念は、結局杞憂に終わることになるだろう。

潮流銘柄は?

潮流銘柄は一家ダイニングプロジェクト(9266)、ナノキャリア(4571)、神戸天然物化学(6568)。

8月13日「潮流」3銘柄の解説|岡山 憲史【株式投資テレビ】も併せてご視聴ください。




岡山 憲史(株式会社マーケットバンク 代表取締役)プロフィール

1999年2月 日本初の資産運用コンテスト「第一回S1グランプリ」にて約1万人の参加者の中から優勝。
このコンテストはスカイパーフェクTVの資産運用情報番組「インベステーション」が主催、
ゴールドマン・サックス投信・クレディスイス投信・野村アセットマネジメント投信などの協賛を得て行われたもので、
プロの運用担当者などを含む1万人以上の参加者を集めて実施。
コンテストの開催時期(98年11月16日~99年2月15日)は日本株式市場がバブル後最安値を付けに行く最悪の環境にもかかわらず、
1億円の資金を1億3112万円(運用期間年利回り124%)に殖やすという脅威の成績をあげ文句なしの優勝を果たす。
第二回大会においても、2ヶ月間で1億円の資金を2億1600万円に増加させ、6位入賞。
1999年12月8日にマーケットバンク設立。17年以上にわたって株式投資で安定した高パフォーマンスを継続して出すことのできる
画期的な運用手法とサービスを提供している。

2002年1月にNHK番組「経済最前線」にて独自の投資支援システムが紹介される。
2005年12月TBS番組「筑紫哲也のNEWS23」にて勝ち組企業として紹介される。
直近では2017年1月に始まった夕刊フジ主催の「株-1グランプリ」において優勝。
1ヶ月間で3銘柄の合計パフォーマンスを競います。最終のパフォーマンスは155%と断トツの結果。
週刊現代、週刊ポスト、夕刊フジ、ネットマネー、月刊カレントなど幅広く執筆活動を行っている。

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