赤字財政支出が民間貯蓄を生む!【潮流】岡山 憲史

潮流|株式市場新聞
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万年筆マネー

「銀行が貸し出しを行うことで、預金が生まれる」と始めて聞いた方は何のことか理解できないかもしれないが、本当のことなのだ。銀行員が借り手の口座に1000万円と記帳すれば、1000万円の預金が生まれる。書くだけでお金が生まれるので「万年筆マネー」ともいう。

「財政赤字」は「国民黒字」

銀行は個人や企業から集めた預金を元手に、貸し出しを行っているのではないのだ。多くの人はこの重要な仕組みを知らない。貸し出すことで、預金が生まれることを「信用創造」という。このことがお金のオペレーションを理解する上で最も大事なことである。「貸し出し⇒預金」という原理は政府に対する貸し出しも同じなのだ。つまり、「政府の赤字財政支出が民間貯蓄(預金)を生む」ことになる。政府の財政赤字が増加すればするだけ、国民の預金も増加するのである。政府はインフレ率が健全な範囲に収まる限り、自国通貨で国債を発行し、需要を拡大させることができる。政府の赤字は非政府部門にお金が注入されることであり、国民の所得や雇用を増やす。つまり、「財政赤字」は「国民黒字」なのだ。

消費増税は国民を赤字にする政策

具体的に例を挙げると、政府は景気対策のために国債を発行する。日銀が国債を購入し、政府の日銀当座預金にお金を振り込む。政府は公共事業で道路を作るため民間の建設業者に工事を依頼する。政府は建設業者に政府小切手で支払いを行う。建設業者は取引銀行に政府小切手を持ち込み、代金の取立てを依頼する。銀行は小切手相当額を建設業者の口座に記帳する。この時点で新たな「預金の創造」が生まれる。同時に、日銀に代金の取立てを依頼。この時点で「民間貯蓄が増加」する。政府保有の日銀当座預金が銀行の日銀当座預金勘定に振り替えられ、銀行の日銀当座預金が増える。建設業者が受け取ったお金はその会社で働く従業員の給料や下請け会社に支払われる。このように政府が新たな仕事を作り出し、お金を支払うことでお金が回り、経済が活性化して景気が良くなるのである。財政赤字を拡大しなければ日本の成長はないということである。「財政赤字の拡大は国民黒字の拡大」である(MMT理論)。10月からの消費増税は国民を赤字にする政策であり、デフレが増長する。

潮流銘柄は?

潮流銘柄はストライク(6196)、野村総合研究所(4307)、TIS(3626)。

 9月9日「潮流」3銘柄の解説|岡山 憲史【株式投資テレビ】も併せてご視聴ください。

岡山 憲史(株式会社マーケットバンク 代表取締役)プロフィール

1999年2月 日本初の資産運用コンテスト「第一回S1グランプリ」にて約1万人の参加者の中から優勝。
このコンテストはスカイパーフェクTVの資産運用情報番組「インベステーション」が主催、
ゴールドマン・サックス投信・クレディスイス投信・野村アセットマネジメント投信などの協賛を得て行われたもので、
プロの運用担当者などを含む1万人以上の参加者を集めて実施。
コンテストの開催時期(98年11月16日~99年2月15日)は日本株式市場がバブル後最安値を付けに行く最悪の環境にもかかわらず、
1億円の資金を1億3112万円(運用期間年利回り124%)に殖やすという脅威の成績をあげ文句なしの優勝を果たす。
第二回大会においても、2ヶ月間で1億円の資金を2億1600万円に増加させ、6位入賞。
1999年12月8日にマーケットバンク設立。17年以上にわたって株式投資で安定した高パフォーマンスを継続して出すことのできる
画期的な運用手法とサービスを提供している。

2002年1月にNHK番組「経済最前線」にて独自の投資支援システムが紹介される。
2005年12月TBS番組「筑紫哲也のNEWS23」にて勝ち組企業として紹介される。
直近では2017年1月に始まった夕刊フジ主催の「株-1グランプリ」において優勝。
1ヶ月間で3銘柄の合計パフォーマンスを競います。最終のパフォーマンスは155%と断トツの結果。
週刊現代、週刊ポスト、夕刊フジ、ネットマネー、月刊カレントなど幅広く執筆活動を行っている。
また、個人投資家に投資情報や個別銘柄の助言業務を行っている。

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