週明け続伸スタートも上値は重い?【記者の視点】

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値の荒い展開

5月4週の東京市場は日経平均では5月30日に一時、3万8000円を割れまで急落したが、週末には前日比433円77銭高の3万8487円90銭まで戻す動きになり、値の荒い展開になった。

「第2のクジラ」はポジティブ要因

日米共に長期金利が上昇していることが足枷となっており、米国では2年、5年、7年の国債入札が不調で4.6%台まで上昇、国内でも10年債利回りは一時1.10%に跳ね上がっており、次回の日銀金融政策決定会合での利上げへの警戒が高まっていた。それに加えて5月末はMSCIの銘柄入れ替えに絡む売りが警戒されていたが、「政府が公務員年金など100兆円規模の公的マネーを積極運用に回す」と報じられたことを受けて31日は後場から上値追いとなった。年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)に次ぐ「第2のクジラ」となる巨額マネーが東京市場に流れ込むとの期待になり、減少気味だった海外投資家の買いを再び誘う要因になるかもしれない。

ナスダック3日続落は半導体には重石

注目されていた4月のPCE物価指数の上昇率は前月比で0.3%と、3月と同水準となり、市場予想と一致し、高インフレが継続するとの懸念が後退し、長期金利の低下から5月31日のニューヨーク市場でダウは574.84ドル高と4日ぶり反発となり、ナイトセッションでの225先物は3万8730円でひている。これを受けて週明けの東京市場で日経平均で続伸でのスタートが予想されるが、ナスダック指数は3日続落で引けていることから半導体関連などの動きが鈍ければ戻り売りで上値が重くなる可能性があろう。

重要な経済指標の発表が相次ぐ

今週は米国で3日に5月ISM製造業景況指数、5日に5月ADP雇用統計と5月ISM非製造業景況指数、7日に5月雇用統計と重要な経済指標の発表が相次ぐ。更にその先は12日からのFOMCを控えてFRB高官が発言できないサイレント期間に入る。FRB高官の多くが安易な利下げに否定的な見解を示していることからこれら経済指標である程度、インフレ後退に繋がる内容が確認されない限りニューヨーク市場も戻り売りに押される状況が続かも知れない。

提供:株式市場新聞社 marketpress.jp




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