膠着感の強い動き
6月1週の東京市場は日経平均で6日に一時、3万9000円台まで上昇する場面があったが、その後は戻り売りに押される動きになり、先週に引き続き膠着感の強い動きになった。
インフレ圧力が後退したが・・・
5月のADP全米雇用リポートでは非農業部門の雇用者数が前月比15万2000人増と伸びは4月から縮小し、市場予想を下回ったことに加えて、6日発表の週間新規失業保険申請件数についても市場予想を上回ったことて、インフレ圧力が後退し、FRBによる早期の利下げ期待が再燃。これを受けて6日まででダウが3日続伸し、ナスダック指数も最高値を更新する動きになった。
これを受けて東京市場も連動して半導体関連を中心に買われる動きになったが、相変わらず戻り売りに押される動きで日経平均では3万8000円台前半から3万9000円近辺でのレンジ内での動きに終始している。
5月の米雇用統計は市場予想を上回る
注目された5月の米雇用統計では、非農業部門の雇用者数が前月比27万2000人増と市場予想の19万人増を上回った。これを受けて強い米国景気が確認された一方で、早期の利下げ期待が再び後退し、7日のニューヨーク市場でダウは反落し87.18ドル安、ナスダック指数も続落して引けている。ナイトセッションでの225先物は3万8670円と7日の日経平均終値とほぼ同水準で引けており、週明け10日は小動きでのスタートが予想される。
日銀会合通過後はアク抜けを期待
今週は11日から米国でFOMCが開催され、12日にパウエルFRB議長の会見、13日から日銀金融政策決定会合が開催され、14日に植田日銀総裁の会見が予定されている。FOMCは現状維持がコンセンサスでパウエルFRB議長が利上げ時期にどれだけ踏み込んで発言するか注目される。一方、日銀金融政策決定会合では国債の買い入れ減額が事前報道されいるが、直近で10年債は1%割れまで低下しており、現状では警戒感は薄い。国内の景況感が不透明であることから利上げには慎重意見が多く、日銀会合通過後はアク抜けから買戻しの動きも想定される。
ハイテクの本格出直りを待つ
個別ではスコーピオン・キャピタルのネガティブなレポートを受けてレーザーテック(6920)が急落したが、会社側が反論コメントを表明したことで買い戻しの動きとなった。同社株を含めてハイテクの本格出直りを待ちたい。
提供:株式市場新聞社 marketpress.jp
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