3週間ぶりの大幅安
先週の日経平均は前週末比約1861円安と3週間ぶりに大幅安となった。
週間の下落幅としては2020年10月以来
前週はSQ絡みの仕掛け的な買いで違和感のある上昇をしていたがその反動で大幅下落となった。
10日に発表された5月米CPIが市場予想を上回り米FOMCに対して警戒感がでたことがきっかけではあるが週間の下落幅としては2020年10月以来で今年最大(6.7%)の下落幅となった。
日本株の下落率の方が大きい
震源地の米国はNYダウが週間で4.8%下落、S&P500が5.8%下落しているがやはり前週に上昇していた反動で下落した日本株の下落率の方が大きい。
スイスも金利を引き上げ
先週は米国でも日本のメジャーSQにあたるクアドルプル・ウィッチングだった為動きが大きかったともいわれている。
先週は「中銀ウィーク」といわれるほど各国の中央銀行の政策会合が行われた週だったが米国に続き英国も政策金利を引き上げ、予想されていなかったスイスも金利を引き上げた。
日本だけが金融緩和を継続
世界各国のインフレ抑制は待ったなしの状況で日本だけが金融緩和を継続している。日銀や政府も「今回の円安は日本にとってマイナスである」と漸く言い始めたが対応策を講じてるわけではない。
スタグフレーションを引き起こす可能性も
為替介入をしたところで今後も金利差が大きくなるのであればヘッジファンドなどの格好の仕込み場になる可能性もあり反動で更に円安が加速することにもなりかねない。
金利を引き上げれば株価に大きく影響することは必至であるがこれ以上の円安は低所得者や中間層に負担が大きくなり消費が大きく落ち込みスタグフレーションを引き起こす可能性が大きい。
世界から取り残される日本のまま
政府はコロナ禍で貯蓄率が上がっておりコロナ規制解除後それが消費にまわり経済が立ち直ると見ているようだがそれは一時的なものである。
所得が上がる抜本的な改革をしないとコロナ規制解除後も世界から取り残される日本のままである。
変化に対応する姿勢を見せないと世界から見限られるという危機感をもっと政府も日銀も持ってもらいたいものだ。
いずれは5月安値を割る展開か?
今週の相場は米国でもメジャーSQ通過で一旦は下げ止まりの動きを期待したい。
この下げによりTOPIXは5月の安値を更新した。日経平均は辛うじて5月安値を割ってはいないがいずれは割って3月の安値(2万4681円)を試す展開になると思われる。
三空は買い向かえ!
だが、先週の下げが急でチャート上は三空を形成、17日には下髭の長い十字線に似た形となっている。
「三空は買い向かえ」、「安値圏での十字線は相場の転機」である。
需給面でもSQ通過で一旦は買戻しが期待できる水準と思われる。ただ、戻りが鈍い場合は再び仕掛けられて5月安値を更新する可能性もあり神経質な相場展開となろう。
今週のレンジは?
戻りメドは窓埋めの2万6326円、一目均衡表の雲の下限の2万6510円処、75日移動平均線(2万6850円処)となろう。
一方、下値は17日の安値(2万5720円)、節目の2万5500円、2万5000円があげられよう。
今週のレンジは2万5500円から2万6500円を想定する。
(ハチロク)
提供:株式市場新聞社 marketpress.jp
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