2週連続で週足陰線
先週の日経平均は前週末比約6円安と2週連続で週足陰線となった。
ゴールデンウイーク明けは大幅高でスタートしたが上がれば売られ下がれば買われる方向感の乏しい展開であった。
5月SQ週でもあったが上値の重さを感じる相場であった。SQ値は3万8509円47銭となり幻のSQ値とはならなかった。
リーマンショック時を上回る
9日に厚生労働省から発表された3月の毎月勤労統計調査によると実質賃金は前年同月比で2.5%減となり24ケ月連続で減少し過去最長期間となった。
実質賃金のマイナス期間はリーマンショック時の期間を上回ってきたのだ。
現金給与総額は増加しているが残業代が減っている。だが大きいのは円安による物価上昇を全く補えていないということだ。
円安による物価高が消費低迷を招く
4月分になれば春闘による大幅賃上げ分が加味されるためプラスになる予想は多いが為替がこれ以上円安になるとその効果も相殺される。
また、総務省が発表した家計調査でも13ケ月連続で支出が減少している。円安による物価高が消費低迷を長引かせている。
日銀は4月末と5月初めに為替介入を行った模様であるが現在はまた円安傾向に動いている。
継続的な利上げを明確に市場に示さないとこのトレンドは止まりそうにない。
介入も売り場を提供するだけ
介入資金としてあと30兆円あると言われているが「日本売り」であれば介入も売り場を提供するに過ぎなくなる。
発表されてきている企業決算でも今期の予想は輸出企業であっても慎重な予想となっている。
やはりこれ以上の円安は日本には悪い円安なのである。超円安に対応できる構造改革が出来てない以上まずはこの円安トレンドを早急にとめるべきだと思われる。
相場は学者が考える以上に残酷である。
もう少し日柄調整が必要
日経平均は一目均衡表の雲の下限(3万8229円処)を意識した展開となっている。上値は基準線(3万8488円処)が抵抗線となってよう。
移動平均線も5日移動平均線(3万8315円処)、25日移動平均線(3万8558円処)、75日移動平均線(3万8453円処)と拮抗しつつありどちらかに大きく可能性が高い。
19日の安値(3万6733円)から下値を切り上げる動きだったが3万9000円台に近づくと売り物が増えるようでもう少し日柄調整が必要のようである。
今週のレンジは?
15日には米国CPIの発表があるため今週も為替の動向次第で大きく動く展開が想定されよう。
今週のレンジは3万7500円~3万8900円の見通し。大きく動いた時の逆張りが有効と思われる。
(ハチロク)
提供:株式市場新聞社 marketpress.jp
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