9月は売られやすい【潮流】岡山 憲史

潮流|株式市場新聞
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サマーラリーは外人買いだった

8月のサマーラリーを演じた背景に外国人投機筋による先物買いがある。投機筋は7月第3週(19日~22日)から8月第3週(15~19日)まで5週連続で株価指数先物を大幅に買い越し、買越額の累計は1兆9600億円にもなる。買いの主体は相場水準が上がったため機械的に相場に順張りするCTA(商品投資顧問)だったとされる。

「売り越し」に転じると天井

7月以降、バークレイズとソジェンはそれぞれ約1万枚の日経平均先物を買い増ししていた。金額に引き直すと、それぞれ約2800億円の買いに相当し、両社を通じたCTAなどの買いが日本株を押し上げてきた。しかし、欧州証券2社は、日経平均先物の日々の売買注文が「売り越し」に転じた。それと歩調を合わせるように、日経平均も天井を打った。

景気よりもインフレ抑制を優先

外国人投機筋は8月第4週(22日~26日)の先物を6週ぶりに2558億円売り越しに転じた。26日のジャクソンホール会議でパウエル議長は、インフレを抑えるため「FRBの政策手段を力強く使う」と述べた。利上げは「家計や企業に痛みをもたらす」とも指摘し、景気よりもインフレ抑制を優先することを示唆した。

やり遂げるまで利上げ

物価の安定には「引き締め的な政策をしばらく続ける必要がある」とも指摘。インフレ抑制について「やり遂げるまでやり続けなければならない」と述べた。この発言で投機筋は更に先物を売っているだろう。

パウエル議長は間違えた

また、過去2年、パウエル議長はジャクソンホール会議の講演で間違えた発言をしている。20年は金融緩和を長く続けるために「平均物価目標」へと指針を移行すると表明したが、その後の高インフレで無実化した。21年は長期の期待インフレ率の安定など5つの理由を挙げ、インフレは一時的と説明したが、結果的に間違っていたとの見方が圧倒的に多い。

不安定な動き続く

22年は挽回せんとばかりに、タカ派の見解を強調した。23年夏には「昨年のタカ派姿勢は間違っていた」と指摘されるほど、景気悪化と物価鈍化が進んでいる可能性がある。その結論が出るまでの間、株式を中心に金融市場は不安定な動きとなるだろう。外国人投機筋が先物を売り越している間は株式市場の調整は続く。特に9月は年間を通して最も株式市場が売られやすい月でもあるため警戒が必要だ。

潮流銘柄は?

潮流銘柄はリケンテクノス(4220)、インフロニア・ホールディングス(5076)、人・夢・技術グループ(9248)

9月5日付「潮流」3銘柄の解説|岡山 憲史【株式投資テレビ】も併せてご視聴ください。

 

岡山 憲史(株式会社マーケットバンク 代表取締役)プロフィール

マーケットバンクは1999年12月8日の設立から投資支援システムの開発・販売、金融情報サービス、投資売買助言、運用コンサル等を行っている。
2002年には画期的なペアトレード「ハイブリッドシステム」を開発。NHK番組「経済最前線」で紹介される。
2006年にテクニカル分析システム「マーケットルーラー」を開発。2007年にはテクニカル応用ツール「窓チャートシステム」を開発。2つの投資分析システムは全国の投資ソフト450本の中で共に人気ランキング1位となり、高い評価を得る。また、日経225先物運用システムを開発し、実践に活かしている。

代表の岡山憲史氏は1999年2月 日本初の資産運用コンテスト「第一回S1グランプリ」にて1万人超の参加者の中から優勝。
このコンテストはスカイパーフェクTVの資産運用情報番組「インベステーション」が主催。ゴールドマン・サックス投信、クレディスイス投信、野村アセットマネジメント投信などの協賛を得て行われたもので、プロの運用担当者などを含む1万人超の参加者を集めて実施。コンテストの開催時期(98年11月16日~99年2月15日)で、1億円の資金を1億3112万円(運用期間年利回り124%)に増やすという高成績をあげ、文句なしの優勝を果たす。
第二回大会においても、2カ月間で1億円の資金を2億1600万円に倍増させ、6位入賞。
2002年 1月 NHK番組「経済最前線」にて独自の投資支援システムが紹介される。
2005年12月 TBS番組「筑紫哲也のNEWS23」にて勝ち組企業として紹介される。
2017年 1月 夕刊フジ主催の「株-1グランプリ」において優勝。
2020年 1月 夕刊フジ「激闘!!株-1(カブワン)グランプリ」で優勝。
2022年 1月 夕刊フジ主催「株-1グランプリ」で優勝。
株式市場新聞、週刊ポスト、週刊現代、フライデー、月刊カレント等を執筆。
個人投資家に投資情報や個別銘柄、日経225先物の助言業務を行っている。

提供:株式市場新聞社 marketpress.jp




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