中国不動産問題と米インフレ懸念【潮流】岡山 憲史

潮流|株式市場新聞
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中国不動産大手の資金繰り難が表面化

2020年9月に表面化した中国恒大集団危機に続き、中国不動産最大手の碧桂園控股(カントリー・ガーデン・ホールディングス)や中堅の遠洋集団控股の資金繰り難が表面化している。

恒大の負債総額は?

恒大の負債総額は2022年12月31日時点で2兆4374億1000万元(約48兆6441億円)に上る。総資産は1兆8383億4000万元(約36兆6883億円)で、純資産は約マイナス5991億元(約11兆9564億円)となる。

碧桂園控股は恒大より深刻

碧桂園控股はデフォルトに陥った恒大集団のおよそ4倍のプロジェクトを抱えていることから資金繰り悪化の影響は恒大より深刻になるかもしれないという。株価は2021年初めから13分の1に暴落し、上場来最安値だ。

中国政府は財政・金融政策を打ち出せないジレンマ

地方財政の悪化と約15年半ぶり水準の人民元安が足かせとなり、中国政府は思い切った財政・金融政策を打ち出せないジレンマに陥っている。

米国では市場予想を上回る経済指標相次ぐ

また、米国の実質国内総生産(GDP)を予測する「GDPナウ」によると、7~9月期は年率換算で前期比5.8%増となる見通しだ。市場予想を上回る経済指標の発表が相次いでおり7月28日時点の3.5%増から大幅に引き上げた。

景気後退入りを予測していない

米連邦準備理事会(FRB)が8月16日に公表した7月開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では、FRBのスタッフは「もはや景気後退入りを予測していない」と記されていた。

「景気後退入りするとしたら非常に驚き」

サマーズ元米財務長官は、米10年債利回りについて「今後10年で4.75%に達し、それ以上になる可能性もありそうだ」との見通しを示した。米経済は「少なくともしばらくの間は現状の強さを維持する。2023年中に景気後退(リセッション)入りするとしたら非常に驚きだ」とも述べた。

インフレと円安は失われた30年から大転換する好機

17日に円相場は1ドル=146円56銭と昨年11月上旬以来の安値をつけた。FRBの金融引き締めが長引くとの見方から米金利の先高観が強まり、日米の金利差拡大を見込んだ円売り・ドル買いが活発化。政府・日銀が昨年9月に円買い介入を実施する直前の安値(145円90銭)を明確に下回った。日本にとってインフレと円安は失われた30年から大転換するチャンスであることは間違いないだろう。

大きく下落したら買いのチャンス

中国不動産問題や米インフレ懸念で株価が大きく下落した時は買いのチャンスであることは今までと変らない。

潮流銘柄は?

潮流銘柄は丸文(7537)、日本電計(9908)、サンワテクノス(8137)。

 

岡山 憲史(株式会社マーケットバンク 代表取締役)プロフィール

マーケットバンクは1999年12月8日の設立から投資支援システムの開発・販売、金融情報サービス、投資売買助言、運用コンサル等を行っている。
2002年には画期的なペアトレード「ハイブリッドシステム」を開発。NHK番組「経済最前線」で紹介される。
2006年にテクニカル分析システム「マーケットルーラー」を開発。2007年にはテクニカル応用ツール「窓チャートシステム」を開発。2つの投資分析システムは全国の投資ソフト450本の中で共に人気ランキング1位となり、高い評価を得る。また、日経225先物運用システムを開発し、実践に活かしている。

代表の岡山憲史氏は1999年2月 日本初の資産運用コンテスト「第一回S1グランプリ」にて1万人超の参加者の中から優勝。
このコンテストはスカイパーフェクTVの資産運用情報番組「インベステーション」が主催。ゴールドマン・サックス投信、クレディスイス投信、野村アセットマネジメント投信などの協賛を得て行われたもので、プロの運用担当者などを含む1万人超の参加者を集めて実施。コンテストの開催時期(98年11月16日~99年2月15日)で、1億円の資金を1億3112万円(運用期間年利回り124%)に増やすという高成績をあげ、文句なしの優勝を果たす。
第二回大会においても、2カ月間で1億円の資金を2億1600万円に倍増させ、6位入賞。
2002年 1月 NHK番組「経済最前線」にて独自の投資支援システムが紹介される。
2005年12月 TBS番組「筑紫哲也のNEWS23」にて勝ち組企業として紹介される。
2017年 1月 夕刊フジ主催の「株-1グランプリ」において優勝。
2020年 1月 夕刊フジ「激闘!!株-1(カブワン)グランプリ」で優勝。
2022年 1月 夕刊フジ主催「株-1グランプリ」で優勝。
株式市場新聞、週刊ポスト、週刊現代、フライデー、月刊カレント等を執筆。
個人投資家に投資情報や個別銘柄、日経225先物の助言業務を行っている。

提供:株式市場新聞社 marketpress.jp




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