官民一体となった対米投資戦略【潮流】岡山 憲史

潮流|株式市場新聞
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極めて重要な意味

3月19日にワシントンで行われた日米首脳会談は「無難さ」が評価されたが、合意された約11兆円規模の対米投資は日本経済にとって極めて重要な意味を持つ。
今回の投資の柱は小型モジュール炉(SMR)と天然ガス発電であり、次世代エネルギーと現実的な電力供給の両面を押さえた戦略的な内容だ。SMRは次世代エネルギーの本命とされ、脱炭素とエネルギー安全保障を両立する切り札だ。ここに日本が資本参加する意義は極めて大きい。

日米の利害が一致

単なる資金提供ではなく、日本企業の技術・部材・エンジニアリングが深く関与することで、サプライチェーン全体に長期的な需要が生まれる。重要なのは、今回の投資が「対米従属」ではなく「対米活用」である点だ。米国はインフレ抑制と製造業回帰を進める中で巨額の資本を必要としている。一方、日本は国内需要の伸び悩みと資金余剰という構造を抱える。この両者の利害が一致した結果が今回の投資であり、日本にとっては資本を最も効率的にリターンへ転換できる市場に資金を投じる合理的判断と言える。

デフレ的な停滞からの脱却を後押し

また、経済安全保障の観点からも意義は大きい。エネルギーとインフラという戦略分野で日米の結びつきが強化されることで、中国や資源国への過度な依存を低減できる。海外での大型案件を通じて得た技術・ノウハウは、将来的に国内のエネルギー政策やインフラ更新に還流する。結果として、日本国内の設備投資や雇用創出を促し、デフレ的な停滞からの脱却を後押しする。

単なる外交イベントではない

市場の視点で見れば、エネルギー、重工、商社、金融といった分野に中長期の資金が流入しやすくなる。さらに、今回の日米首脳会談に孫正義氏が同席していたことは、この会談が単なる外交イベントではなく、官民一体となった対米投資戦略であることを強く印象づけたと言える。

日本経済復活の起点へ

実際、ソフトバンクグループも米国への投資拡大を示しており、政府によるエネルギー分野への巨額投資と、民間によるAI・半導体・データセンターといった先端分野への投資が同時に動き出している点に今回の本質がある。日米政府が取り組む事業は日本経済の成長戦略を外需と技術で支える重要な一手である。日米投資事業は、日本経済復活の起点となり得る。

潮流銘柄は?

潮流銘柄は東映(9605)、東映アニメーション(4816)、フジクラ(5803)。

 

岡山 憲史(株式会社マーケットバンク 代表取締役)プロフィール

マーケットバンクは1999年12月8日の設立から投資支援システムの開発・販売、金融情報サービス、投資売買助言、運用コンサル等を行っている。
2002年には画期的なペアトレード「ハイブリッドシステム」を開発。NHK番組「経済最前線」で紹介される。
2006年にテクニカル分析システム「マーケットルーラー」を開発。2007年にはテクニカル応用ツール「窓チャートシステム」を開発。2つの投資分析システムは全国の投資ソフト450本の中で共に人気ランキング1位となり、高い評価を得る。また、日経225先物運用システムを開発し、実践に活かしている。

代表の岡山憲史氏は1999年2月 日本初の資産運用コンテスト「第一回S1グランプリ」にて1万人超の参加者の中から優勝。
このコンテストはスカイパーフェクTVの資産運用情報番組「インベステーション」が主催。ゴールドマン・サックス投信、クレディスイス投信、野村アセットマネジメント投信などの協賛を得て行われたもので、プロの運用担当者などを含む1万人超の参加者を集めて実施。コンテストの開催時期(98年11月16日~99年2月15日)で、1億円の資金を1億3112万円(運用期間年利回り124%)に増やすという高成績をあげ、文句なしの優勝を果たす。
第二回大会においても、2カ月間で1億円の資金を2億1600万円に倍増させ、6位入賞。
2002年 1月 NHK番組「経済最前線」にて独自の投資支援システムが紹介される。
2005年12月 TBS番組「筑紫哲也のNEWS23」にて勝ち組企業として紹介される。
2017年 1月 夕刊フジ主催の「株-1グランプリ」において優勝。
2020年 1月 夕刊フジ「激闘!!株-1(カブワン)グランプリ」で優勝。
2022年 1月 夕刊フジ主催「株-1グランプリ」で優勝。
2024年 3月 夕刊フジ主催「株-1グランプリ」で優勝。
株式市場新聞、週刊ポスト、週刊現代、フライデー、月刊カレント等を執筆。
個人投資家に金融情報サービスを行っている。

提供:株式市場新聞社 marketpress.jp

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