【潮流】岡山 憲史~アルゴは相場操縦

潮流|株式市場新聞

巨額資金で人為的に市場を乱高下

11月9日の日経平均は前場に一時、469円高の2万3382円まで上昇し、取引時間中としては1992年1月以来、約26年ぶりに節目の2万3000円を上回った。しかし、後場は様相が一変した。391円安い2万2522円まで急落したのだ。大引けは45円安の2万2868円と小幅下落で終えた。一時的な急落の要因は外国人投機筋のHFT(超高速・高頻度取引)によるプログラム売買だ。
前場までは「円売り・225先物買い」のプログラム売買が継続して入り上昇幅が拡大した。日経平均が2万3000円を上回り、さらに一段高となると株価指数先物を売っていた投資家が損失の拡大を回避するためオプションのコール(買う権利)に大口の買いを入れた。この結果、オプション価格から算出する日経平均ボラティリティー・インデックス(VI)が大きく上昇した。VIは14~17程度で推移していたが、一時24と約7カ月ぶりの水準まで急上昇した。
ヘッジファンドのアルゴ(アルゴリズム)で株価変動率の上昇をリスク増大と判断するプログラムが売りに動いた。後場からは一転して「円買い・225先物売り」のプログラム売買が継続して入り、下落幅を拡大させた。先物を買っていた短期筋も一斉に売りに回り、急落に繋がった。日経225先物は高値2万3430円から安値2万2520円まで一気に910円の急落となった。出来高は約16万枚と通常の約3倍に膨らんだ。
この日の225先物手口を見るとABNアムロが225先物ラージを「33873枚売り・32730枚買い」、225ミニを「505920枚売り・508618枚買い」。ソシエテは225ラージを「35364枚売り・35133枚買い」、225ミニを「396516枚売り・393942枚買い」と大量の売買を行った。ABNアムロの225先物取引だけで約1兆9000億円、ソシエテは1兆7100億円となり、2社だけで約3兆6100億円と巨額な取引を行った。売買代金の約半分近くがこの2社が占めており、日経平均を乱高下させた主犯だ。
何をきっかけに売りの指示を出すか「アルゴ」を考えるのは1~6人の少数の人達だろう。巨額な資金で人為的に株式市場を乱高下させ、公正な価格形成を歪める「アルゴ」は明らかに相場操縦であり、違法行為だ。この少数の人達が考える「アルゴ」にどれだけ多くの投資家が損失を被っているか計り知れない。
潮流銘柄は、新報国製鉄(5542)、CKD(6407)、ムトー精工(7927)。

 

◆岡山 憲史(株式会社マーケットバンク 代表取締役)プロフィール◆

1999年2月 日本初の資産運用コンテスト「第一回S1グランプリ」にて約1万人の参加者の中から優勝。
このコンテストはスカイパーフェクTVの資産運用情報番組「インベステーション」が主催、
ゴールドマン・サックス投信・クレディスイス投信・野村アセットマネジメント投信などの協賛を得て行われたもので、
プロの運用担当者などを含む1万人以上の参加者を集めて実施。
コンテストの開催時期(98年11月16日~99年2月15日)は日本株式市場がバブル後最安値を付けに行く最悪の環境にもかかわらず、
1億円の資金を1億3112万円(運用期間年利回り124%)に殖やすという脅威の成績をあげ文句なしの優勝を果たす。
第二回大会においても、2ヶ月間で1億円の資金を2億1600万円に増加させ、6位入賞。
1999年12月8日にマーケットバンク設立。17年以上にわたって株式投資で安定した高パフォーマンスを継続して出すことのできる
画期的な運用手法とサービスを提供している。

2002年1月にNHK番組「経済最前線」にて独自の投資支援システムが紹介される。
2005年12月TBS番組「筑紫哲也のNEWS23」にて勝ち組企業として紹介される。
直近では2017年1月に始まった夕刊フジ主催の「株-1グランプリ」において優勝。
1ヶ月間で3銘柄の合計パフォーマンスを競います。最終のパフォーマンスは155%と断トツの結果。
週刊現代、週刊ポスト、夕刊フジ、ネットマネー、月刊カレントなど幅広く執筆活動を行っている。

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