8月30日からの上昇分吐き出す
昨日の東京株式市場は7日続落となりました。日経平均は8月30日から9月14日まで11日連続陽線で上昇しましたが、昨日の下げで8月30日からの上昇分を全て吐き出しました。岸田首相が自民党総裁選で当選した9月29日の終値からだけみても昨日の安値で2084円もの下げになっています。わずか4日間での下げ幅ですから岸田内閣の多難なスタートと言えます。
投資家の失望感を高める
中国恒大集団や米債務上限引き上げなど、日本だけの問題で下げているわけではありませんが、しかし岸田首相は新しい財務相に金融・財政とは畑違いの鈴木氏を起用しましたし、一昨日の会見でも早速金融所得課税の強化を検討すると述べており、ますます投資家の失望感を高めることになっています。
あの野田政権の時でさえ…
それにしても新政権誕生後、これだけ株価が下げたのは初めてではないでしょうか。あの民主党最後の野田政権の時でさえこんなことはありませんでした。2011年9月2日に野田政権が誕生した日の日経平均は8950円でした。2カ月程度横ばい推移で11月に8160円まで下落しましたが、翌年には1万円に上昇しました。正に株式市場にとっては最悪の政権誕生です。
マイナス乖離は異常値
ただ、テクニカル面からは日経平均が25日線から一時7%近いマイナス乖離となってきました。これは異常値です。ここで守らねばならない位置は一目均衡表の雲下限である2万7521円です。
ここを割り込んで雲の下に入ってしまうと修復は不可能となり、底割れ相場へと進んでしまいます。
裁定解消の投げ売り
テクニカル面でなぜこれほど投げ売りが出てきたのかを考えると、それは裁定取引残高で説明できます。年初来安値をつけた8月20日段階の裁定取引の売り残は3913億円で買い残は6090億円でした。その後の急騰により9月24日には売り残が151億円に減少し、買い残は1兆4247億円に積み上がりました。
次期政権への期待当て外れる
この急激な買い残の積み上がりにより日経平均は3800円程度上昇した訳です。それは次期政権への期待があってのことでしょうが、岸田政権で当てが外れた海外勢は、今は裁定買い残の解消売りが嵩んでいるということでしょう。この解消売りが一気に進めば一旦は底打ちということになるはずです。
今日~明日が日柄変化日
現在、水星が逆行中(9月27日~10月19日)ですが、今週7日が中間点。水星逆行中は世界中の株価が上下にブレやすいものですが、中間点通過で転換するケースが多いものです。今日~明日が日柄変化日であり、一旦は急激なリバウンドが起こると思います。
日々勇太朗
提供:株式市場新聞社 marketpress.jp
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