危機はチャンス【転ばぬ先のテクニカル】

転ばぬ先のテクニカル|証券市場新聞
目次

金融株への警戒で3日続落

昨日の東京株式市場は3日続落となりました。13日の米国市場はNYダウが90ドル安、ナスダックは49ポイント高とマチマチでした。バイデン大統領が預金の安全性を強調しましたが、金融株への警戒が続いています。

米地方銀行株暴落続く

米金融株指数は3.78%下落しており、個別でも経営基盤が脆弱なファースト・リパブリック・バンクが61.8%安、ウエスタン・アライアンス・バンコープが47.1%安、ZBナショナル・アソシエーションが25.7%安、パックウエスト・バンコープも21.1%安といった具合で地方銀行株が暴落続きとなりました。

欧州でも銀行株売られる

欧州市場でもクレディ・スイスが一時15%安まで売られ、ドイツのコメルツ銀行やスペインのサバデル銀行、イタリアのウニクレディトなども売られ、欧州銀行株指数も6%近く売られる連鎖が広がりました。そのため東京市場でも銀行株が暴落気味に売られました。

シリコンバレーは特殊な銀行

破綻したシリコンバレー銀行は特殊な銀行です。預金量は全米16位くらいだと思いますが、その昔は日本で言うところの信用金庫レベルです。なぜ預金量が増加したのかというと、シリコンバレーの新興企業がお得意様で、IPOで株式上場したりすることで受け取った資金をシリコンバレー銀行に預金してきたのです。

インフレ下の株式投資は金融株

米国ではインフレ下の株式投資は金融株というのがウォール街の常識とされていますが、これは長短金利差が拡大することで業績が向上するという考え方です。短期金利で資金を調達し、長期金利で貸し出しや運用をするという戦略です。

米国債券市場は逆イールド

しかし、今の米国債券市場は逆イールド状態が続いています。13日の2年債利回りは3.972%なのに対し10年債利回りは3.575%と0.4%程度短期債利回りが高い状態。短期資金でぐるぐる回しているのに運用は長期投資なら破綻して当然なのです。

金融不安にはならない

このように見ると単なる運用下手だったということが分かります。こんなことを全行が行っている筈はなく、今回の件でリーマンショックのような金融不安にはならないと言えます。当局や大統領までもが預金の全額保護を謳っています。

全額保護も不安で大手銀に預け替え

なのになぜ金融株の下落が止まらないのでしょうか?それは中小銀行の預金者が全額保護と言われても不安なので預金を引き出し、大手銀行に預け替えることを優先しているからでしょう。各地でそうした光景を見せられれば、地銀の連鎖倒産が連想されて地銀売りとなっているということだと思います。

投げ売りは早晩落ち着く

こうした悲観による投げ売りは数日続くかもしれません。しかし、早晩落ち着きを取り戻すものと思われます。

14日は米2月消費者物価指数発表

さて、銀行株に目が行って忘れがちになりますが、14日は米2月の消費者物価指数が発表されます。市場予想は総合が6.0%(1月は6.4%)、コアが5.5%(1月は5.6%)です。

物価安定使命だが金融システム安定も

FRBの金融政策運営で物価安定は使命ですが、一方で金融システムも安定させねばなりません。なので、金融システムに不安が走ることは、場合によっては高インフレよりも厄介なことです。

ジレンマに直面

もし、金融システムを安定させるなら、金利を上げることは出来ず、逆に下げたほうが良いとなります。しかし、インフレ退治を優先するなら利上げを進めないといけません。このジレンマに直面しつつあります。

結果により投資判断も変更

どちらを優先すべきか、見方は分かれています。CPIが市場予想を下回れば、利上げ機運は一気にしぼみそうです。しかし、市場予想を上回れば厄介です。この結果により投資判断も変更せざるを得ません。

投げ売り出尽くせば一変短期買い場

日経平均は「宵の明星」の典型的な売りの型から急落となっていますが、本日で日足ローソク足は三日連続窓を空ける三空形成となっています。いわゆる「三空叩き込み」という型で、投げ売りが出尽くせば、一変して短期買い場に逆転します。危機はチャンスです。ここより買い場を探る局面だと考えております。

日々勇太朗

 

危機はチャンス【転ばぬ先のテクニカル】

金融株への警戒で3日続落
 昨日の東京株式市場は3日続落となりました。13日の米国市場はNYダウが90ドル安、ナスダックは49ポイント高とマチマチでした。バイデン大統領が預金の安全性を強調しましたが、金融株への警戒が続いています。

米地方銀行株暴落続く
 米金融株指数は3.78%下落しており、個別でも経営基盤が脆弱なファースト・リパブリック・バンクが61.8%安、ウエスタン・アライアンス・バンコープが47.1%安、ZBナショナル・アソシエーションが25.7%安、パックウエスト・バンコープも21.1%安といった具合で地方銀行株が暴落続きとなりました。

欧州でも銀行株売られる
 欧州市場でもクレディ・スイスが一時15%安まで売られ、ドイツのコメルツ銀行やスペインのサバデル銀行、イタリアのウニクレディトなども売られ、欧州銀行株指数も6%近く売られる連鎖が広がりました。そのため東京市場でも銀行株が暴落気味に売られました。

シリコンバレーは特殊な銀行
 破綻したシリコンバレー銀行は特殊な銀行です。預金量は全米16位くらいだと思いますが、その昔は日本で言うところの信用金庫レベルです。なぜ預金量が増加したのかというと、シリコンバレーの新興企業がお得意様で、IPOで株式上場したりすることで受け取った資金をシリコンバレー銀行に預金してきたのです。

インフレ下の株式投資は金融株
 米国ではインフレ下の株式投資は金融株というのがウォール街の常識とされていますが、これは長短金利差が拡大することで業績が向上するという考え方です。短期金利で資金を調達し、長期金利で貸し出しや運用をするという戦略です。

米国債券市場は逆イールド
 しかし、今の米国債券市場は逆イールド状態が続いています。13日の2年債利回りは3.972%なのに対し10年債利回りは3.575%と0.4%程度短期債利回りが高い状態。短期資金でぐるぐる回しているのに運用は長期投資なら破綻して当然なのです。

金融不安にはならない
 このように見ると単なる運用下手だったということが分かります。こんなことを全行が行っている筈はなく、今回の件でリーマンショックのような金融不安にはならないと言えます。当局や大統領までもが預金の全額保護を謳っています。

全額保護も不安で大手銀に預け替え
 なのになぜ金融株の下落が止まらないのでしょうか?それは中小銀行の預金者が全額保護と言われても不安なので預金を引き出し、大手銀行に預け替えることを優先しているからでしょう。各地でそうした光景を見せられれば、地銀の連鎖倒産が連想されて地銀売りとなっているということだと思います。

投げ売りは早晩落ち着く
 こうした悲観による投げ売りは数日続くかもしれません。しかし、早晩落ち着きを取り戻すものと思われます。

14日は米2月消費者物価指数発表
 さて、銀行株に目が行って忘れがちになりますが、14日は米2月の消費者物価指数が発表されます。市場予想は総合が6.0%(1月は6.4%)、コアが5.5%(1月は5.6%)です。

物価安定使命だが金融システム安定も
 FRBの金融政策運営で物価安定は使命ですが、一方で金融システムも安定させねばなりません。なので、金融システムに不安が走ることは、場合によっては高インフレよりも厄介なことです。

ジレンマに直面
 もし、金融システムを安定させるなら、金利を上げることは出来ず、逆に下げたほうが良いとなります。しかし、インフレ退治を優先するなら利上げを進めないといけません。このジレンマに直面しつつあります。

結果により投資判断も変更
 どちらを優先すべきか、見方は分かれています。CPIが市場予想を下回れば、利上げ機運は一気にしぼみそうです。しかし、市場予想を上回れば厄介です。この結果により投資判断も変更せざるを得ません。

投げ売り出尽くせば一変短期買い場
 日経平均は「宵の明星」の典型的な売りの型から急落となっていますが、本日で日足ローソク足は三日連続窓を空ける三空形成となっています。いわゆる「三空叩き込み」という型で、投げ売りが出尽くせば、一変して短期買い場に逆転します。危機はチャンスです。ここより買い場を探る局面だと考えております。

日々勇太朗

日経平均,チャート分析,アドバイス,米地銀,利上げ

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