年後半の上昇に備え押し目買い|光世証券・エグゼクティブ・マネージャー 西川雅博氏【相場展望】

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テクニカル面での調整

日本株は4月初旬の急落相場から値幅も期間も予想以上の反発相場となった。
トランプ大統領が自国の経済成長や株価動向を犠牲にしてまで強硬姿勢を貫くことはなさそうだとの観測が背景だろう。相互関税表明のインパクトからすれば意外高となったが、5月中旬以降はさすがに勢いが止まっている。調整色が強まったのは外部要因というよりテクニカルの側面が大きい。

過去のケースに当てはめると?

日経平均騰落レシオは5月15日に146%に達した。2000年以降今回同様に過去10営業日で騰落レシオが92%から140%まで上昇したケースは2006年8月、2014年11月、2022年7月と3回あったが、いずれもその後2か月ほどは上下5%のボックス相場となっている。今回に当てはめると3万6000円~3万9000円である。

ここからの上値はそう簡単ではない

さらに、今回の関税ショック安とその後の反発相場は2020年のコロナショック時及び昨年8月の暴落時とよく似た形状になった。急落からのV字型回復である。もちろん下げの背景は全く違うが、指数先物でシェアが高いCTAなど「順張り投資家」の投資手法が理屈抜きで日柄や値幅に似通った影響を与えている可能性がある。
過去2回のケースでも急落前の水準まで急反発した後は一旦騰勢が鈍った。今回も関税ショック前の株価に一気に戻っただけに、ここからの上値はそう簡単ではなさそうだ。

インパクトに欠ける相場展開

関税交渉の期限が延長されたことで波乱要因は軽減されたが、同時にディールの成果を狙うトランプ大統領の発信も沈静化する。市場の関心がファンダメンタルズへ移行すると、交渉が決着するまでは良くも悪くもインパクトに欠ける相場展開になりがちだろう。

今後はポジティブサプライズの反応を意識

今期(2026年3月期)の上場企業業績は会社予想で7%減益との集計となった。日経平均では3万7000円で予想PERは15.3倍である。減益予想が目立つ自働車・電機など輸出企業を中心に関税交渉の不透明感があるが、それらの株価はすでに相当水準まで売り込まれたとみている。輸出企業の想定為替レート(ドル/円)は平均143円で半数以上の企業は140円以下である。今後はバリュー面や需給動向からむしろポジティブサプライズの反応を意識すべき水準だろう。

比較的狭いレンジの保ち合い相場

「予測不能さを演出し、相手に揺さぶりを掛ける。恐れを抱かせて相手に譲歩案を用意させる」というのがトランプ流交渉術だ。関税を巡る動きに翻弄されたマーケットだったが、当初のインパクトに比べて事態がさらに悪化する可能性は低いとみている。この問題が一巡すれば、米国では利下げを含め景気・経済対策に焦点が移つるだろう。向こう2~3カ月は比較的狭いレンジの保ち合い相場を予想するが、年後半の上昇に備え押し目買いが有効と考える。

個別では?

個別では東急不動産ホールディングス(3289)富士フィルム(4901)、村田製作所(6981)。

光世証券・エグゼクティブ・マネージャー 西川雅博氏プロフィール

1960年奈良県生まれ 大和証券入社 1990年より光世証券 法人部、営業部長、現在コンサルティンググループ担当

提供:株式市場新聞社 marketpress.jp




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