4週連続で上昇だが・・・
先週の日経平均は前週末比約62円高と4週連続で上昇した。
先週5日間で約800円も上昇した背景には岸田政権の「骨太方針」への期待や円安進行が言われているが6月のメジャーSQ週だったことが大きな要因であろう。
3月とは正反対の動き
コールの売りを踏み上げ、ヘッジで先物の買いを誘う「かちあげ相場」だったようだ。
3月のSQ週はプットの売りを踏み上げ、先物の売りヘッジを誘って相場を大きく下落させた。 まさに今回は3月とは正反対の動きとなったということだ。
今回はSQ後調整に向かう
ヘッジファンドの仕掛けがうまく嵌まっている感じがする。需給を絡めて相場を大きく動かす彼らの得意な戦略である。需給面での旨味がなくなれば相場は反転する。3月の時はSQ後上昇に転じた。今回は調整に向かう可能性が高い。
円安はマイナスに働く
海外投資家は円安によりドル建て日経平均は目減りする。そのため機械的にその目減り分を買い足しする傾向が多いが今回の円安はやはり経済面でもマイナスに働くようだ。
2002年1月の135.15円に迫る
大和総研によると22年1-3月期(平均為替レート116.2円)から10%の円安が進んだ場合22年度の実質GDPは0.05%押し下げられるという。
円安による輸出金額の増加などの押し上げ効果よりの輸入価格の上昇によるマイナス影響の方が大きくなるためだ。
もはや134円台まで入ってきており2002年1月の135.15円に迫る勢いである。
「円キャリー取引」が活発化する可能性も
賃金上昇が物価上昇に追い付いていない我が国はもはや自国通貨安は経済的にマイナスなのである。
このまま日銀が金融緩和を続けると日本で資金を調達して海外で運用する「円キャリー取引」が活発化する可能性もある。日銀のデーターによると「円キャリー取引」が活発だった2007年に比べるとまだ4割程度のようである。
危険な水準に入っている
更に日米の金利格差が進むと当然「円キャリー取引」は増加し円安を加速させる可能性は高い。チャート上では1998年8月の147.63円までは大きな節もないため、今当局が介入など断固とした姿勢を見せないと危険な水準に入ってきてると思われる。
居所を探す展開
今週の日経平均は調整局面入りで居所を探す展開を想定。
9日の高値(2万8389円75銭)で戻り相場は一旦は終了したと思われる。下値メドは上向いている26週移動平均線(2万7310円処)、13週移動平均線(2万7130円処)となろう。
割れてくると5月28日に付けた窓埋め(2万6996円70銭)が視野に入ってこよう。一方、上値は節目の2万8000円、9日の窓埋め(2万8189円35銭)となろう。
下振れに注意
6月限SQ値は2万8122円81銭だが「幻のSQ値」となっており下振れに注意が必要である。
今週は2万6900円から2万8000円を想定する。
(ハチロク)
提供:株式市場新聞社 marketpress.jp
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