8日の東京市場は反落、日経平均は75円安でした。前日のNY株高や円高一服を受けて60円余り上げて始まりましたが、1~3月期GDP改定値の下方修正が重石になり、上げ幅を縮め、さらに、日銀の出口戦略を巡る一部報道をきっかけに長期金利が上昇したことで、マイナスに沈んでいます。ただ、下値には買いが入ったようで、東証1部の売買代金は概算で2兆5300億円に膨らみました。
個別では任天堂(7974)、ソフトバンクG(9984)、東エレク(8035)、Vテクノロジー(7717)の中小型株相場を牽引してきた中核銘柄が揃って安く、特にVテクなどは大幅続落で、高値保ち合いを下放れるかたちになっています。新興市場もジャスダックは続伸ながら伸び悩み、マザーズは反落しました。全般調整局面入りを思わせる動きで、きょうはメジャーSQに英総選挙も重なり、波乱もあり得るでしょう。
一方、5月第5週(5月29日~6月2日)の投資部門別株式売買動向を見ると海外投資家が9週連続で買い越しており、買越額も4280億円と前の週の220億円から再び大きく増えました。つまり、日経平均2万円大台乗せの原動力は外人買いということで、今後も米長期金利と為替睨みで、外国人投資家の出方を窺いながら方向を探っていくことになるのでしょう。
中小型株相場はこれからがクライマックスとの見方は変えておらず、注目銘柄にも変更はありません。ただ、全般地合いが落ち着いてからで、きょうの前場は見送りとします。
花咲 翁
証券市場新聞 https://marketpress.jp/