【潮流】岡山 憲史~ヘッジファンドの買い戻しで相場大転換

潮流|株式市場新聞

大停滞期からの決別

日経平均は北朝鮮のミサイル発射報道があった8月9日から北朝鮮の建国記念日の前日にあたる9月8日までの1カ月間で721円下落した。しかし、9月11日から14日までの4日間で日経平均は一気に644円上昇し、下げ幅の9割を埋めた。
14日のザラ場高値は1万9918円だ。東証株価指数(TOPIX)は一時、1642.56を付けて年初来高値を更新した。旧TOPIX(浮動株基準移行前の基準に基づくTOPIX)も1718.04と2年ぶりに年初来高値を更新した。旧TOPIXは過去四半世紀にわたり、大まかに1700~1800を上限に推移してきた。1993年9月高値(1708.06)から2015年8月高値(1750.86)まで、このレンジで高値を付けたことは7回あり、これら高値の平均値は1750である。今回は企業業績とマクロ指標改善を伴っており、旧TOPIXが1750という「上値の壁(棺桶の蓋)」を抜けてくる可能性は高い。旧TOPIXが1750を明確にブレイクすれば、それは日本株が大停滞期からの決別を意味する。
東証の投資部門別売買動向によると、海外投資家が先物を売り越し始めた5月第3週(15~19日)から8月第5週(8月28日~9月1日)までに先物で約1兆5500億円を売り越した。一方、同期間に日銀は1兆7400億円の上場投資信託(ETF)買いを入れた。同期間の海外投資家の現物と先物を合計した売越金額は約1兆9000億円。自社株買いを反映しやすい事業法人の買越額は約7200億円と日銀のETF買いの合計は2兆4000億円となった。
大阪取引所が毎営業日公表している先物手口では9月11日からモルガン・スタンレーやクレディ・スイス、JPモルガンの大口買い戻しが目立っていた。11日に国連安全保障理事会が核実験などに踏み切った北朝鮮に対する制裁決議を採択した。追加制裁には石油の全面禁輸などの厳しい条項が含まれなかったため、北朝鮮が反発を強めることへの警戒感が後退。さらに、トランプ政権が民主党に歩み寄るかたちで税制改革協議が進むとの期待から米国株式市場が上昇し、過去最高値更新となった。海外ヘッジファンドが相場下落を見込んで日本の株価指数先物を大量に売ったが、海外市況の好転と日銀のETFや企業の自社株買いなどで思惑が外れ、買い戻しを余儀なくされた。
潮流銘柄は、ソラスト(6197)、ユー・エム・シー・エレクトロニクス(6615)、三井ハイテック(6966)。

 

 

◆岡山 憲史(株式会社マーケットバンク 代表取締役)プロフィール◆

1999年2月 日本初の資産運用コンテスト「第一回S1グランプリ」にて約1万人の参加者の中から優勝。
このコンテストはスカイパーフェクTVの資産運用情報番組「インベステーション」が主催、
ゴールドマン・サックス投信・クレディスイス投信・野村アセットマネジメント投信などの協賛を得て行われたもので、
プロの運用担当者などを含む1万人以上の参加者を集めて実施。
コンテストの開催時期(98年11月16日~99年2月15日)は日本株式市場がバブル後最安値を付けに行く最悪の環境にもかかわらず、
1億円の資金を1億3112万円(運用期間年利回り124%)に殖やすという脅威の成績をあげ文句なしの優勝を果たす。
第二回大会においても、2ヶ月間で1億円の資金を2億1600万円に増加させ、6位入賞。
1999年12月8日にマーケットバンク設立。17年以上にわたって株式投資で安定した高パフォーマンスを継続して出すことのできる
画期的な運用手法とサービスを提供している。

2002年1月にNHK番組「経済最前線」にて独自の投資支援システムが紹介される。
2005年12月TBS番組「筑紫哲也のNEWS23」にて勝ち組企業として紹介される。
直近では2017年1月に始まった夕刊フジ主催の「株-1グランプリ」において優勝。
1ヶ月間で3銘柄の合計パフォーマンスを競います。最終のパフォーマンスは155%と断トツの結果。
週刊現代、週刊ポスト、夕刊フジ、ネットマネー、月刊カレントなど幅広く執筆活動を行っている。

 

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