決算を睨んだ個別物色
1月第1週までの東京市場は、ゴールデンウイークの谷間となる5月1日に日経平均が約8カ月ぶりとなる2万9000円台乗せとなった。4月27日にはファースト・リパブリック・バンクの急落を受けた金融不安の高まりから2万8241円67銭まで下げる場面があったが、その後は金融不安の後退とともに米主要企業の好決算が追い風となり、日銀金融政策決定会合の結果発表と共に3月9日の高値2万8734円79銭突破とともに上昇加速となった。
長期的な緩和継続
植田和夫総裁下で初となる日銀金融政策決定会合については、かねてより現状維持がコンセンサスとなっていたが、昨年末にはイールドカーブコントロール(YCC)での長期金利許容変動幅拡大を受けて短時間で1000円幅も急落した経緯あったことから、今回もYCC撤廃を含めたバッドサプライズに備える動きがあったようだ。4月28日の会合後の会見で植田和夫総裁は、過去四半世紀の金融緩和について、1年~1年半程度の期間をかけて検証をする「レビュー」の実施を表明したことから、長期的な緩和継続期待が円安株高をもたらす結果になっている。
GWの225先物は乱高下
ゴールデンウイーク中はパシフィック・ウエスタン・バンクの経営危機報道からニューヨーク市場でダウは500ドルを超える急落となり、日経平均先物の祝日取引でも2万8560円を付ける場面があったが、週末に銀行株が買い戻されることになり、ダウは急上昇、日経平均先物も2万9000円台を回復している。
過度な楽観は避けたい
急速に戻したことから次の関心は21年9月14日に付けた3万795円78銭以来の3万円乗せになるかだろう。目先的には勢いから3万円に乗せる可能性があるかもしれないないが、急ピッチな上げから21年当時と同様に何らかのキッカケで急降下の可能性もあるだけに過度な楽観は避けたい。
12日のSQ通過までは個別物色
ゴールデンウイーク中のFOMCが通過すれば関心は主要企業の決算発表に移ろう。9日の三越伊勢丹(3099)、鉄10日の日本製鐵(5401)、11日のソフトバンクグループ(9984)など。12日のSQ通過までは決算を睨んだ個別物色となろう。
提供:株式市場新聞社 marketpress.jp
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