3万2000円割れ後に底堅さ示せるか?【記者の視点】

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調整色の強い展開か?

10月4日に一時、3万487円67銭まで急落していた日経平均は12日に3万2500円近くまで急速に戻したが、SQ日である週末は4日ぶりに続落となり3万2315円99銭で引けていた。短期間でほぼ2000円程度戻したが、SQに向けた買い戻しも一巡したことで週明けの東京市場は調整色の強い展開となりそうだ。

地政学リスクも高まる

週末13日のニューヨーク市場ではダウは39.15ドル高と小幅に反発したが、ナスダック指数については前日比で1.23%と大幅に続落している。JPモルガン・チェースやシティグループ、ウェルズ・ファーゴの金融株や市場予想を上回る好決算を発表し、同様に好決算を発表した医療保険のユナイテッドヘルス・グループもダウ指数を押し上げた。一方で、イスラエルとイスラム組織ハマスの軍事衝突ではイスラエル軍地上部隊がガザの一部を襲撃したことで地上戦への突入が地政学リスクの高まりとして意識されている。

米10月ビジネスリーダーズサーベイを注視

今週は海外では16日に米10月NY連銀製造業指数、17日に米10月ビジネスリーダーズサーベイと米9月鉱工業生産・設備稼働率、19日にパウエル議長のNY経済クラブでの講演。決算では18日にAMSLホールディングス、P&G、テスラ、19日にTSMCと有力企業の決算が相次ぐ。米10月ビジネスリーダーズサーベイでは6カ月先の雇用や賃金の見通しが示されることから、なだらかな右肩下がりの内容なら金利低下と景気の持続という観点からマーケットはポジティブ評価しよう。

混迷深める米下院議長選出

一方、懸念材料としては米下院議長の選出で共和党が未だに候補者をまとめきれていないこと。13日には保守強硬派のジョーダン下院司法委員長を共和党が選出したが、トランプ氏に近い。ジョーダン氏選出には反対する共和党議員も多く、下院本会議の採決で承認される可能性は低い。選出が更に長引けば、イスラエルやウクライナへの軍事支援を含めて予算成立が厳しくなることから10月末から11月へ向けてリスクの要因として意識されよう。
一方、AMSLとTSMCの決算がポジティブな内容ならば、ハイテクの見直し要因となり、調整一巡からの指数の巻き返しの支援材料となる。
週末の225先物ナイトセッションの引け値3万1880円から週明けは3万2000円割れスタートなろう。朝寄りでの売り一巡後に底堅さを示せるか注目したい。

提供:株式市場新聞社 marketpress.jp




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