米金利天井感で株は買い転換【潮流】岡山 憲史

潮流|株式市場新聞
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安値から2000円戻す

日経平均株価は9月15日の高値(3万3634円)から調整に入っていたが、10月4日に3万0487円で底を打ち、急速に戻している。12日には3万2494円まで上昇し、安値から2000円も戻した。

タカ派姿勢に転換の兆し

9月15日からの下落幅3147円(9.3%)の半値戻しを一気に達成した。今回の上昇の背景は米国金利上昇に天井感が出たからだ。米国の株式市場はインフレが沈静化せず、利上げ懸念が付きまとっていた。米ダウ平均は8月1日の高値(3万5679ドル)から10月6日の安値(3万2846ドル)まで2833ドル(7.9%)の調整が続いていた。それが、米連邦準備理事会(FRB)の金融引き締めに積極的なタカ派姿勢に転換の兆しが見えてきたのだ。

FRBの利上げ局面が終了した

10月5日のサンフランシスコ連銀のデイリー総裁を皮切りに、足元の米長期金利の急上昇を受け、追加の引き締めの必要性が低下したとの発言が相次いでいる。9日にはFRBのジェファーソン副議長、ダラス連銀のローガン総裁も追加利上げに慎重な姿勢を鮮明にした。市場はFRBの利上げ局面が終了したとの見方を強めている。

4.88%が天井となる可能性も

金利先物市場で10月31日~11月1日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)での金利据え置きを織り込む度合いは一時90%を超えた。12月会合で政策金利が現在の水準に維持されるとの予想確率も約7割に上がった。11日の米債券市場で米長期金利は4.55%と、前週末終値(4.80%)から0.25%も水準を切り下げた。4日と6日に付けた2007年以来の高水準の4.88%が天井となる可能性が高い。

「マグニフィセント・セブン」中心に買い

米国金利が低下し、「マグニフィセント・セブン」と呼ばれる大型ハイテク株中心に米株式市場に買いが入っている。日本も同様にハイテク株、特に日経平均寄与度の高い半導体株が買われ上昇幅が拡大した。外国人投資家(ヘッジファンド、CTA)の買戻しだ。

悪材料出つくし

FRBは景気について、実質国内総生産(GDP)が堅調に拡大しており、想定よりも底堅いと評価している。同時に近い将来、GDP成長率は鈍化するとの予想も示した。引き締め的な金融政策が狙い通りに経済を抑制しているとの認識だ。12月にあと一回0.25%の利上げがあったとしても、悪材料出つくしで株式市場は上昇トレンドを強めるだろう。

潮流銘柄は?

潮流銘柄はローム(6963)、東京エレクトロン(8035)、ソシオネクスト(6526)。

 

岡山 憲史(株式会社マーケットバンク 代表取締役)プロフィール

マーケットバンクは1999年12月8日の設立から投資支援システムの開発・販売、金融情報サービス、投資売買助言、運用コンサル等を行っている。
2002年には画期的なペアトレード「ハイブリッドシステム」を開発。NHK番組「経済最前線」で紹介される。
2006年にテクニカル分析システム「マーケットルーラー」を開発。2007年にはテクニカル応用ツール「窓チャートシステム」を開発。2つの投資分析システムは全国の投資ソフト450本の中で共に人気ランキング1位となり、高い評価を得る。また、日経225先物運用システムを開発し、実践に活かしている。

代表の岡山憲史氏は1999年2月 日本初の資産運用コンテスト「第一回S1グランプリ」にて1万人超の参加者の中から優勝。
このコンテストはスカイパーフェクTVの資産運用情報番組「インベステーション」が主催。ゴールドマン・サックス投信、クレディスイス投信、野村アセットマネジメント投信などの協賛を得て行われたもので、プロの運用担当者などを含む1万人超の参加者を集めて実施。コンテストの開催時期(98年11月16日~99年2月15日)で、1億円の資金を1億3112万円(運用期間年利回り124%)に増やすという高成績をあげ、文句なしの優勝を果たす。
第二回大会においても、2カ月間で1億円の資金を2億1600万円に倍増させ、6位入賞。
2002年 1月 NHK番組「経済最前線」にて独自の投資支援システムが紹介される。
2005年12月 TBS番組「筑紫哲也のNEWS23」にて勝ち組企業として紹介される。
2017年 1月 夕刊フジ主催の「株-1グランプリ」において優勝。
2020年 1月 夕刊フジ「激闘!!株-1(カブワン)グランプリ」で優勝。
2022年 1月 夕刊フジ主催「株-1グランプリ」で優勝。
株式市場新聞、週刊ポスト、週刊現代、フライデー、月刊カレント等を執筆。
個人投資家に投資情報や個別銘柄、日経225先物の助言業務を行っている。

提供:株式市場新聞社 marketpress.jp




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