一旦は反発も膠着感強い展開か?【記者の視点】

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植田総裁発言で下げ加速

先週の東京市場は波乱の動きになり、12月6日に3万3445円90銭を大引けで付けていた日経平均は8日には3万2307円86銭で引けるという急落となった。
日経平均が週後半に急落する過程でニューヨーク市場は強い動きを続けていたが、7日に日銀の植田和男総裁が参院財政金融委員会で金融政策運営について「年末から来年にかけて一段とチャレンジング(挑戦的)な状況になると思っている」と語ったことを受けて大規模金融緩和策の「出口」観測から為替は一時1ドル141円台にまで円高が急速に進行、日経先物はナイトセッションで3万2000円割れを伺う急落を見せて、8日は寄り付きから現物の投げで指数の下落を加速させた。

マイナス金利解除への地ならし?

植田総裁に発言を含めた日銀幹部の最近の発言については様々な見方があるが、2024年にはマイナス金利解除で現在の歪な金融政策を修正したいいとう意欲の現れだろう。ある程度事前にアナウンスすることで地ならしを行い、マーケットのショック安を極力抑制させたい思いがあるのかも知れない。

雇用統計を受けてドル買い

一方、米国では注目されていた11月雇用統計では雇用者数と賃金の伸びが市場予想を上回り、来年の積極的な金融緩和期待が後退した。金融緩和期待が後退したものの、一方で景気悪化懸念が払拭されたことで8日のニューヨーク市場は続伸となり、ナスダック総合とS&P総合500種とは終値ベースで2022年初以来の高値を付けた。
雇用統計を受けてドル買いがすすんだことをことを受けて一時1ドル145円まで円安が進展し、日経平均先物は3万2520円まで上昇したことで週明けの東京市場は反発スタートとなりそうだ。

FOMC後の経済見通しを重要視

今週は12日から米国でFOMCが開催される。政策変更の可能性は低く、結果発表後の経済見通しが重要視されよう。
FOMCの先は18日の日銀金融政策決定会合が控えており、買い戻し一巡後は膠着感が強い展開になるかもしれない。

提供:株式市場新聞社 marketpress.jp




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