現時点の悪材料は全て織り込む【潮流】岡山 憲史

潮流|株式市場新聞
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原油・天然ガスの輸入全面禁止の衝撃

バイデン大統領はロシアからの原油や天然ガスなど関連製品の輸入を全面的に禁止すると発表した。
これまでの金融制裁の影響もあって原油の供給が細るのは確実視され、WTI原油先物相場は3月7日に130.5ドルを付け、2008年に付けた過去最高値の147ドル台に接近。原油価格が2020年4月のコロナショック時に▼37ドルまで売られたことが嘘のようだ。東京原油価格も8倍になった。

需給逼迫はエネルギーだけではない

米国に対抗してプーチン大統領は、特定の製品や天然資源の輸出入を禁止・制限した。輸入の禁止や輸出の禁止は共に痛みが伴う。また、需給逼迫が意識されて上昇しているのはエネルギーだけではない。ロシアが主要産地のパラジウムやニッケルなども高騰し、小麦など穀物価格の値上がりも著しい。ガソリンや食料品など生活必需品の値上げは消費者を直撃し、経済的ダメージを受ける。

ロシア軍は15万人超のほぼ100%を投入

エネルギーや資源、穀物の価格上昇がどの程度続くのか、消費や企業業績への影響の大きさが株式市場を左右する。米政策研究機関「戦争研究所」は7日、戦況の分析で、ロシア軍が「96時間以内にキエフへの総攻撃を開始する」可能性を指摘した。米国防総省高官はロシア軍がウクライナ周辺に集結させた15万人超の部隊のうちほぼ100%を投入したと発表。

日本株に変化の兆し

総攻撃となれば戦闘が激しさを増し、ロシア軍によるキエフ陥落となるか、ウクライナ軍の徹底抗戦で阻止できるか、大きな山場を迎える。株式市場は日米共に調整局面が続いている中、日経平均とTOPIXは年初来安値を割れ、売り圧力が強まった。一方、米国はダウ平均とナスダック総合指数は年初来安値を割り込んでいない。ただ、日本株に変化の兆しが出始めた。エネルギーや資源価格が高値を更新した次の8日に石油株や資源株が急反落となった。

プーチンと戦っているのはウクライナと投資家

また、東証1部の空売り比率は、8日に48%まで上昇した。投資家が総弱気になった時が大底。資源株の動きと投資家心理を捉えれば、現時点での悪材料は全て織り込んだようだ。10日に日経平均が一時、1000円も大幅上昇したことが証だ。プーチンという狂気の独裁者が手を引かない限り株式市場は不安定な状態が続く。プーチンと戦っているのはウクライナと投資家だ。

潮流銘柄は?

潮流銘柄はカネカ(4118)、オーエスジー(6136)、日本製鉄(5401)。

3月14日「潮流」3銘柄の解説|岡山 憲史【株式投資テレビ】も併せてご視聴ください。

岡山 憲史(株式会社マーケットバンク 代表取締役)プロフィール

1999年2月 日本初の資産運用コンテスト「第一回S1グランプリ」にて約1万人の参加者の中から優勝。
このコンテストはスカイパーフェクTVの資産運用情報番組「インベステーション」が主催、ゴールドマン・サックス投信・クレディスイス投信・野村アセットマネジメント投信などの協賛を得て行われたもので、
プロの運用担当者などを含む1万人以上の参加者を集めて実施。
コンテストの開催時期(98年11月16日~99年2月15日)は日本株式市場がバブル後最安値を付けに行く最悪の環境にもかかわらず、
1億円の資金を1億3112万円(運用期間年利回り124%)に殖やすという脅威の成績をあげ文句なしの優勝を果たす。
第二回大会においても、2ヶ月間で1億円の資金を2億1600万円に増加させ、6位入賞。
1999年12月8日にマーケットバンク設立。20年間にわたって株式投資で安定した高パフォーマンスを継続して出すことのできる
画期的な運用手法とサービスを提供している。

2002年1月にNHK番組「経済最前線」にて独自の投資支援システムが紹介される。
2005年12月TBS番組「筑紫哲也のNEWS23」にて勝ち組企業として紹介される。
直近では2017年1月に始まった夕刊フジ主催の「株-1グランプリ」において優勝。
1ヶ月間で3銘柄の合計パフォーマンスを競います。最終のパフォーマンスは155%と断トツの結果。
週刊現代、週刊ポスト、夕刊フジ、ネットマネー、月刊カレントなど幅広く執筆活動を行っている。
また、個人投資家に投資情報や個別銘柄の助言業務を行っている。

提供:株式市場新聞社 marketpress.jp




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