下げの半分強を一気に取り戻す
ダウ平均は5月3週まで7週連続で下げ、その間の下げ幅は合計で約3600ドルに達したが、その後の1週間で1951ドル上昇し、それまでの8週間での下げの半分強を一気に取り戻した。月間では12ドル高と僅かながら2カ月ぶりの上昇となった。ダウ平均7週連続の下落率は▼12%、ハイテク株の多いナスダックは▼22%と大きく値下がりした。一方、日経平均はこの間の下落率が▼7%と低い。
「異常な弱気」水準をつけた後
5月の日経平均株価は月間で431円の上昇となった。米個人投資家協会(AAII)の調査によると、5月の月間平均は「弱気」が51.4%に達し、2009年3月以来13年ぶりに5割を超えた。6カ月後の相場見通しが「強気」の割合は僅か19.8%だ。AAIIは「異常な弱気」と分析。ただ、「異常な弱気」水準をつけた後の6~12カ月は歴史的に平均以上の株価上昇があることも分かっている。
日本株が堅調なのは円安効果
また、米株の投資信託や上場投資信託(ETF)への資金の流れが回復する兆しが出始めていることも今後の株価上昇の裏付けとなる。日本株が米国よりも堅調なのは円安効果だ。米国が積極的に利上げを行なう金融引き締め政策を継続するのと対照的に、日本は利上げを行わない金融緩和政策を維持している。円安になる一番の要因だ。
アルゴが走ると日経平均は上昇
日本株式市場では「円安→株高、円高→株安」といった動きになる。これはヘッジファンドやCTAといった投機筋がアルゴシステムを使ったプログラム売買を頻繁に行うからだ。「円売り→ダウ先物買い→日経225先物買い」のアルゴが走ると日経平均は上昇する。
株価水準も日本の方が割安
また、急速な物価上昇は日米共に同じで個人消費の減速に繋がる。ただ、利上げによる経済への悪影響が米国に直接及ぶが、日本には無い。株価水準も日本の方が割安だ。ダウ平均のPERが20倍に対して日経平均は13倍。ダウ平均のPBRが6倍に対して日経平均は1.18倍である。
個別株主導の値動き
市場は2023年の日米企業の収益下振れリスクを十分に織り込んでいない可能性はある。このため業績をにらみながら個別株主導の値動きになっている。日本市場で上昇基調が強い三菱重工、川崎重工、IHI、日本郵船、川崎汽船、商船三井、コマツ、キャノンはいずれも好業績、低PER、低PBR、高配当利回り銘柄だ。
潮流銘柄は?
潮流銘柄はアルプスアルパイン(6770)、住友重機械工業(6302)、ニコン(7731)。
6月6日「潮流」3銘柄の解説|岡山 憲史【株式投資テレビ】も併せてご視聴ください。
岡山 憲史(株式会社マーケットバンク 代表取締役)プロフィール
マーケットバンクは1999年12月8日の設立から投資支援システムの開発・販売、金融情報サービス、投資売買助言、運用コンサル等を行っている。
2002年には画期的なペアトレード「ハイブリッドシステム」を開発。NHK番組「経済最前線」で紹介される。
2006年にテクニカル分析システム「マーケットルーラー」を開発。2007年にはテクニカル応用ツール「窓チャートシステム」を開発。2つの投資分析システムは全国の投資ソフト450本の中で共に人気ランキング1位となり、高い評価を得る。また、日経225先物運用システムを開発し、実践に活かしている。
代表の岡山憲史氏は1999年2月 日本初の資産運用コンテスト「第一回S1グランプリ」にて1万人超の参加者の中から優勝。
このコンテストはスカイパーフェクTVの資産運用情報番組「インベステーション」が主催。ゴールドマン・サックス投信、クレディスイス投信、野村アセットマネジメント投信などの協賛を得て行われたもので、プロの運用担当者などを含む1万人超の参加者を集めて実施。コンテストの開催時期(98年11月16日~99年2月15日)で、1億円の資金を1億3112万円(運用期間年利回り124%)に増やすという高成績をあげ、文句なしの優勝を果たす。
第二回大会においても、2カ月間で1億円の資金を2億1600万円に倍増させ、6位入賞。
2002年 1月 NHK番組「経済最前線」にて独自の投資支援システムが紹介される。
2005年12月 TBS番組「筑紫哲也のNEWS23」にて勝ち組企業として紹介される。
2017年 1月 夕刊フジ主催の「株-1グランプリ」において優勝。
2020年 1月 夕刊フジ「激闘!!株–1(カブワン)グランプリ」で優勝。
2022年 1月 夕刊フジ主催「株–1グランプリ」で優勝。
株式市場新聞、週刊ポスト、週刊現代、フライデー、月刊カレント等を執筆。
個人投資家に投資情報や個別銘柄、日経225先物の助言業務を行っている。
提供:株式市場新聞社 marketpress.jp
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