インフレに怯える株式市場【潮流】岡山 憲史

潮流|株式市場新聞

 

目次

米株は今年最大の下落

9月13日に発表した8月のCPIを受けて米株は今年最大の下落となった。
CPIは前年同月比8.3%上昇と、FactSetがまとめた市場予想(8.1%)を上回った。エネルギーと食品を除くコア指数の上昇率は6.3%で市場予想(6.1%)を上振れ、前月(5.9%)から加速した。ガソリン価格の下落を受けてエネルギー価格や航空運賃の伸びが一服したものの、家賃や外食といったサービス価格の上昇がこれを相殺した。

CPIはネガティブ・サプライズ

CPIは前月に続き鈍化傾向が鮮明になるとの期待が高まっていたこともあり、市場予想を上振れたことはネガティブ・サプライズとして受け止められた。イエレン米財務長官はガソリン価格の下落が8月のCPIに対する一段の下押し圧力となると述べていた。

FRBにプレッシャーを与える

ニューヨーク連銀が発表した8月の消費者調査では、予想物価上昇率が1年先、3年先ともに鈍化が続いていた。JPモルガンはコア指数が前月比で0.6%上昇(市場予想:0.3%)したことは顕著なアップサイド・サプライズであったとし、今回のCPIはFRBに金融引き締め継続のプレッシャーを与えるものとの見方を示した。

1%利上げ論も

米CPIを受けて、9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で連邦準備理事会(FRB)が1%の利上げに踏み切るとの思惑も台頭した。Fedウオッチによると、9月のFOMCでの1%利上げ確率は前日の0%から30%台まで急上昇した。また、年末時点の政策金利であるフェデラルファンド(FF)レートを4%超と織り込む動きも加速した。

CTAは1070億ドル規模を売り持ち

ゴールドマン・サックス(GS)は12月のFOMCでの利上げ予想を25bpから50bpに引き上げた。9月に75bp、11~12月に50bpの利上げを行うことで、年末時点のFFレートを4~4.25%と予想した。GSによると、トレンドに沿った順張りで売買するCTA(商品投資顧問)は最近3週間で1070億ドル規模の世界の株価指数先物を売り持ちにしたという。

中長期の相場下落に賭ける

JPモルガンによる需給調査でも過去1カ月で世界の株式に追加された売りの持ち高は膨らんでおり、もともと空売り残高が多かった銘柄群ほど積み上がる動きが目立つという。中長期の相場下落に賭ける姿勢は変わっていないようだ。

潮流銘柄は?

潮流銘柄は田中化学研究所(4080)、ドリコム(3793)、サンウェルズ(9229)。

 

9月19日付「潮流」3銘柄の解説|岡山 憲史【株式投資テレビ】も併せてご視聴ください。

 

岡山 憲史(株式会社マーケットバンク 代表取締役)プロフィール

マーケットバンクは1999年12月8日の設立から投資支援システムの開発・販売、金融情報サービス、投資売買助言、運用コンサル等を行っている。
2002年には画期的なペアトレード「ハイブリッドシステム」を開発。NHK番組「経済最前線」で紹介される。
2006年にテクニカル分析システム「マーケットルーラー」を開発。2007年にはテクニカル応用ツール「窓チャートシステム」を開発。2つの投資分析システムは全国の投資ソフト450本の中で共に人気ランキング1位となり、高い評価を得る。また、日経225先物運用システムを開発し、実践に活かしている。

代表の岡山憲史氏は1999年2月 日本初の資産運用コンテスト「第一回S1グランプリ」にて1万人超の参加者の中から優勝。
このコンテストはスカイパーフェクTVの資産運用情報番組「インベステーション」が主催。ゴールドマン・サックス投信、クレディスイス投信、野村アセットマネジメント投信などの協賛を得て行われたもので、プロの運用担当者などを含む1万人超の参加者を集めて実施。コンテストの開催時期(98年11月16日~99年2月15日)で、1億円の資金を1億3112万円(運用期間年利回り124%)に増やすという高成績をあげ、文句なしの優勝を果たす。
第二回大会においても、2カ月間で1億円の資金を2億1600万円に倍増させ、6位入賞。
2002年 1月 NHK番組「経済最前線」にて独自の投資支援システムが紹介される。
2005年12月 TBS番組「筑紫哲也のNEWS23」にて勝ち組企業として紹介される。
2017年 1月 夕刊フジ主催の「株-1グランプリ」において優勝。
2020年 1月 夕刊フジ「激闘!!株-1(カブワン)グランプリ」で優勝。
2022年 1月 夕刊フジ主催「株-1グランプリ」で優勝。
株式市場新聞、週刊ポスト、週刊現代、フライデー、月刊カレント等を執筆。
個人投資家に投資情報や個別銘柄、日経225先物の助言業務を行っている。

提供:株式市場新聞社 marketpress.jp




株式市場新聞 marketpress.jp 株式ニュースと話題の銘柄

購読会員限定コンテンツ

Pocket

潮流|株式市場新聞

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次