投機筋と日銀の戦いは終盤戦へ【潮流】岡山 憲史

潮流|株式市場新聞
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投機筋による先物売り

海外投資家(投機筋)は昨年12月の1カ月間で日経平均先物、TOPIX先物、ミニ日経平均先物、ミニTOPIX先物を合計1兆460億円売り越した。
今年に入っても1月第1週(4日~6日)に5026億円売り越した。12月15日に2万8000円台だった日経平均は今年1月4日の大発会に2万5661円まで下落した。投機筋(ヘッジファンド、CTA)による先物売りの拡大が株式市場を崩した。

円買い・225先物売りのプログラム売買

投機筋に売りを与えたきっかけは、昨年12月20日に日銀が長期金利の上限を0.25%から0.5%に引き上げる実質的な利上げを決めたことだ。日銀が発表した20日の昼に225先物は僅か6分で1200円も急落した。同時に急速な円高が進んだ。投機筋は円買い・225先物売りのプログラム売買を頻繁に行うようになった。

日銀は投機筋に対抗

しかし、1月18日の金融政策決定会合で日銀は大規模緩和の維持を決めた。市場の一部で強まっていた緩和が修正されるとの思惑は外れた。日銀は投機筋の「空売り」に対抗するために金融機関に国債の購入を促す異例の資金供給に乗り出す。発表のあった11時40分頃から僅か1分で225先物は770円も急上昇した。同時に円売り・ドル買いが拡大し、128円50銭台から131円50銭台まで円安が進んだ。
また、12月20日の個別株では株式市場が全面安の中、銀行株と保険株だけは急上昇した。今回18日の動きを見ると、日経平均が大幅上昇となった中で売りに押されたのは銀行株の一角だ。

金融政策修正が先送りされただけ

三菱UFJは午後に一時、5.1%安い902円まで下げた。三井住友FGは一時5%超、みずほFGは4%超それぞれ下落。しかし、売り一巡後に下げ幅を急速に縮めほぼ変らずまで戻した。ショートカバー(売り方の買い戻し)が入ったようだが、その裏には金融政策の修正が先送りされただけだと捉えている節がある。

次の焦点は日銀の次期総裁人事

次の焦点は日銀の次期総裁人事だ。次期総裁人事案は2月10日に国会に提出される見通しだ。日銀総裁と副総裁が誰になるかで、金融緩和政策に変化が訪れることになる。次回の金融政策決定会合は3月9~10日だ。4月8日には新総裁が就任する。投機筋と日銀の戦いは終盤戦を迎える。最終的に勝敗の鍵を握るのが今後のインフレ動向だ。

潮流銘柄は?

潮流銘柄はカチタス(8919)、平田機工(6258)、坪田ラボ(4890)。

岡山 憲史(株式会社マーケットバンク 代表取締役)プロフィール

マーケットバンクは1999年12月8日の設立から投資支援システムの開発・販売、金融情報サービス、投資売買助言、運用コンサル等を行っている。
2002年には画期的なペアトレード「ハイブリッドシステム」を開発。NHK番組「経済最前線」で紹介される。
2006年にテクニカル分析システム「マーケットルーラー」を開発。2007年にはテクニカル応用ツール「窓チャートシステム」を開発。2つの投資分析システムは全国の投資ソフト450本の中で共に人気ランキング1位となり、高い評価を得る。また、日経225先物運用システムを開発し、実践に活かしている。

代表の岡山憲史氏は1999年2月 日本初の資産運用コンテスト「第一回S1グランプリ」にて1万人超の参加者の中から優勝。
このコンテストはスカイパーフェクTVの資産運用情報番組「インベステーション」が主催。ゴールドマン・サックス投信、クレディスイス投信、野村アセットマネジメント投信などの協賛を得て行われたもので、プロの運用担当者などを含む1万人超の参加者を集めて実施。コンテストの開催時期(98年11月16日~99年2月15日)で、1億円の資金を1億3112万円(運用期間年利回り124%)に増やすという高成績をあげ、文句なしの優勝を果たす。
第二回大会においても、2カ月間で1億円の資金を2億1600万円に倍増させ、6位入賞。
2002年 1月 NHK番組「経済最前線」にて独自の投資支援システムが紹介される。
2005年12月 TBS番組「筑紫哲也のNEWS23」にて勝ち組企業として紹介される。
2017年 1月 夕刊フジ主催の「株-1グランプリ」において優勝。
2020年 1月 夕刊フジ「激闘!!株-1(カブワン)グランプリ」で優勝。
2022年 1月 夕刊フジ主催「株-1グランプリ」で優勝。
株式市場新聞、週刊ポスト、週刊現代、フライデー、月刊カレント等を執筆。
個人投資家に投資情報や個別銘柄、日経225先物の助言業務を行っている。

提供:株式市場新聞社 marketpress.jp




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