介入を巡る神経戦は新たな段階に
4月10日に発表された米国のCPI(消費者物価指数)ショックによる米金利の上昇で円安が加速した。外国為替市場で円相場が大きく下落し、一時1ドル=153円20銭台と34年ぶりの円安水準だ。
日本政府による円買い為替介入は今のところない。介入を所管する財務省の鈴木財務相や神田財務官の決断は近づいている。介入を巡る神経戦は新たな段階に入った。2022年の円買い介入以降、財務省は3カ月前対比で10%程度の円安・ドル高を介入レベルとしている。
介入は154円台が目安?
22年9月22日および同年10月21、24日の介入時はいずれも3カ月前の月初比で10%程度、ドルは対円で上昇していた。この「ルール」を今回、当てはめると154円台が目安となる。ただ、日本単独の介入となり、一時的に「円高・ドル安」になるが長続きはしないだろう。米国はインフレに神経質となっており、ドル安は物価上昇につながるため、米国はドルを売らない。
テック株は銘柄によって明暗
また、米国株式市場ではインフレ圧力の根強さを背景に米連邦準備理事会(FRB)の利下げ開始が遅れるとの見方が一段と強まり、大幅安となった。金利感応度が高いはずのテック株は銘柄によって明暗が分かれた。アップルやマイクロソフトが下落する一方、逆行高となったのはAI半導体のエヌビディアだ。今後の米株を象徴するような動きだ。
最短でも9月の利下げ開始
米金利先物の値動きから市場が織り込む米政策金利予想を推計する「フェドウオッチ」をみると、6月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げを織り込む確率は前日の56%から20%程度まで一気に切り下がった。7月も政策金利が据え置かれるとの予想が過半を占め、今は最短でも9月の利下げ開始が市場のメインシナリオとなりつつある。
年3回利下げ予想をFRBが修正する
利下げ開始が遅れることで、年内の利下げ回数の予想も減っている。「フェドウオッチ」では24年12月のFOMC後の政策金利予想は、前日までは0.25%分の利下げを「今年2~3回」で織り込んでいたが、足元では「今年1~2回」だ。年内利下げなしの確率も12.4%(前日は2.1%)へと一気に跳ね上がっており、インパクトは大きい。
市場は3月のFOMC後の政策金利見通しで示されていた年3回の利下げ予想をFRBが修正すると読んでいる。
潮流銘柄は?
潮流銘柄はSWCC(5805)、あいホールディングス(3076)、JFEホールディングス(5411)。
岡山 憲史(株式会社マーケットバンク 代表取締役)プロフィール
マーケットバンクは1999年12月8日の設立から投資支援システムの開発・販売、金融情報サービス、投資売買助言、運用コンサル等を行っている。
2002年には画期的なペアトレード「ハイブリッドシステム」を開発。NHK番組「経済最前線」で紹介される。
2006年にテクニカル分析システム「マーケットルーラー」を開発。2007年にはテクニカル応用ツール「窓チャートシステム」を開発。2つの投資分析システムは全国の投資ソフト450本の中で共に人気ランキング1位となり、高い評価を得る。また、日経225先物運用システムを開発し、実践に活かしている。
代表の岡山憲史氏は1999年2月 日本初の資産運用コンテスト「第一回S1グランプリ」にて1万人超の参加者の中から優勝。
このコンテストはスカイパーフェクTVの資産運用情報番組「インベステーション」が主催。ゴールドマン・サックス投信、クレディスイス投信、野村アセットマネジメント投信などの協賛を得て行われたもので、プロの運用担当者などを含む1万人超の参加者を集めて実施。コンテストの開催時期(98年11月16日~99年2月15日)で、1億円の資金を1億3112万円(運用期間年利回り124%)に増やすという高成績をあげ、文句なしの優勝を果たす。
第二回大会においても、2カ月間で1億円の資金を2億1600万円に倍増させ、6位入賞。
2002年 1月 NHK番組「経済最前線」にて独自の投資支援システムが紹介される。
2005年12月 TBS番組「筑紫哲也のNEWS23」にて勝ち組企業として紹介される。
2017年 1月 夕刊フジ主催の「株-1グランプリ」において優勝。
2020年 1月 夕刊フジ「激闘!!株-1(カブワン)グランプリ」で優勝。
2022年 1月 夕刊フジ主催「株-1グランプリ」で優勝。
2024年 3月 夕刊フジ主催「株-1グランプリ」で優勝。
株式市場新聞、週刊ポスト、週刊現代、フライデー、月刊カレント等を執筆。
個人投資家に投資情報や個別銘柄、日経225先物の助言業務を行っている。
提供:株式市場新聞社 marketpress.jp
株式市場新聞 marketpress.jp 株式ニュースと話題の銘柄
コメント