円買い介入のメリットは何もない【潮流】岡山 憲史

潮流|株式市場新聞
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日銀が金融政策を変更する理由

日本銀行の植田総裁は6月28日、2024年度に物価上昇率が高まってくることに確信が持てれば、日銀が金融政策を変更する理由になると述べた。
ただ、現時点では、日銀が示す2024年度の物価上昇率見通しの達成に「あまり自信がない」とも述べ、これまで続けている大規模な金融緩和の修正に慎重な見方を示した。

「円安=株高」となる図式は変わらない

日銀の金融緩和持続で「円売り・ドル買」いが優勢となり、ドル円レートは1ドル=144円60銭台、1ユーロ=158円寸前まで約15年ぶりの円安水準だ。「円安=株高」となる図式は変わらない。財務省の神田真人財務官は円安について「高い緊張感をもって注視する」としたうえで、介入の可能性を巡っては「どんなオプションも排除しているわけではない」と語った。

ドル買い意欲の強さが交錯

さらに、鈴木財務相が円安について「最近では急速で一方的な動きもみられる。行き過ぎた動きに対し、適切に対応する」と語った。5月の財務省、金融庁、日銀による3者会合より、神田氏の発言はより踏み込んだ内容に切り替わっている。一方、市場は当局による為替介入への警戒感と日米の金融政策の違いに着目したドル買い意欲の強さが交錯している。

政府が行なう政策は積極財政

日銀が円買い介入を行なった場合、株価は急落することは昨年10月の円買い介入で示されている。株価を急落させる金融政策に何のメリットもない。米国のインフレが沈静化すれば急速に円高・ドル安に向うことになるのだ。
今、政府が行なう政策は積極財政である。物価高で苦しむ国民を援助するために政府が大胆な資金援助や減税を行なうことだ。円買い介入をしても国民のメリットは何もない。

急落局面は買いのチャンス

6月19日に日経平均は3万3772円まで上昇し、バブル後の高値を付けた、その後6月27日には3万2306円まで1466円急落したが、29日には円安と半導体株の戻りで一気に3万3527円まで1221円戻した。今回の急落は外国人投機筋による大口の株価指数先物売りがきっかけで、後から大口の現物売りも出た。急上昇したのも外国人投機筋による株価指数先物買いが要因である。6月末の国内年金売りと7月上旬に上場投資信託(ETF)の分配金捻出に伴う売りへの警戒感は続きそうだ。急落局面は買いのチャンスに変わりない。

潮流銘柄は?

潮流銘柄はムトー精工(7927)、三菱ケミカルグループ(4188)、日本精線(5659)。

 

岡山 憲史(株式会社マーケットバンク 代表取締役)プロフィール

マーケットバンクは1999年12月8日の設立から投資支援システムの開発・販売、金融情報サービス、投資売買助言、運用コンサル等を行っている。
2002年には画期的なペアトレード「ハイブリッドシステム」を開発。NHK番組「経済最前線」で紹介される。
2006年にテクニカル分析システム「マーケットルーラー」を開発。2007年にはテクニカル応用ツール「窓チャートシステム」を開発。2つの投資分析システムは全国の投資ソフト450本の中で共に人気ランキング1位となり、高い評価を得る。また、日経225先物運用システムを開発し、実践に活かしている。

代表の岡山憲史氏は1999年2月 日本初の資産運用コンテスト「第一回S1グランプリ」にて1万人超の参加者の中から優勝。
このコンテストはスカイパーフェクTVの資産運用情報番組「インベステーション」が主催。ゴールドマン・サックス投信、クレディスイス投信、野村アセットマネジメント投信などの協賛を得て行われたもので、プロの運用担当者などを含む1万人超の参加者を集めて実施。コンテストの開催時期(98年11月16日~99年2月15日)で、1億円の資金を1億3112万円(運用期間年利回り124%)に増やすという高成績をあげ、文句なしの優勝を果たす。
第二回大会においても、2カ月間で1億円の資金を2億1600万円に倍増させ、6位入賞。
2002年 1月 NHK番組「経済最前線」にて独自の投資支援システムが紹介される。
2005年12月 TBS番組「筑紫哲也のNEWS23」にて勝ち組企業として紹介される。
2017年 1月 夕刊フジ主催の「株-1グランプリ」において優勝。
2020年 1月 夕刊フジ「激闘!!株-1(カブワン)グランプリ」で優勝。
2022年 1月 夕刊フジ主催「株-1グランプリ」で優勝。
株式市場新聞、週刊ポスト、週刊現代、フライデー、月刊カレント等を執筆。
個人投資家に投資情報や個別銘柄、日経225先物の助言業務を行っている。

提供:株式市場新聞社 marketpress.jp




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