グロース市場復活の鍵は外国人投資家【潮流】岡山 憲史

潮流|株式市場新聞
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高値から29%も下落

新興企業向け株式市場で東証マザーズ指数は10月24日に618.7ポイントまで下げ、2022年6月以来の安値となった。6月21日の高値871.35ポイントから29%も下落した。この間、日経平均は9.2%の下落に止まっている。

売りの主体は外国人投資家

売りの主体は外国人投資家だ。6月21日以降、10月13日までの17週中、15週で売り越し、売越額は2000億円を超える。買い手は個人の信用取引に限られ、新興企業向けグロース市場は投機色が強い。6月21日以降、個人は2100億円の買い越しで、内訳は信用取引による買いが2400億円にのぼり、現金による取引は300億円の売り越しだ。外国人の保有株が個人の信用買いにそっくり移った形となっている。グロース市場の銘柄は出来高が薄く外国人投資家が大口売りを出すと下げ幅が大きくなる。

実績伴う企業はプライム市場に移る

機関投資家が買う銘柄は低PBR(株価純資産倍率)と低PER(株価収益率)を中心に業績の良い銘柄を厳選している。PERを無視した高成長だけを捉えた銘柄中心のグロース市場は敬遠されている。東証マザーズ指数の1株利益(EPS)は過去20年、上限を「18円」、下限を「マイナス10円」として、おおむねレンジ内で推移している。旧マザーズ市場や現グロース市場と言っても、将来性が高く、実績を伴う企業はプライム市場に移ってしまう。

長期金利は5%が天井か?

このような状況でグロース市場の銘柄が上昇するには外国人投資家が買い転換することだ。その条件は米国金利の上昇が天井を打ち、金利低下のトレンドが強まって長期間続くことだ。10月23日に米国長期金利は一時5.02%に上昇し、2007年7月以来16年ぶりの高水準を付けた後、4%台で推移している。長期金利は5%が天井になった可能性が高い。

政府の支援も必要

日本市場で日経平均は10月4日の安値3万487円と10月24日の安値3万0551円水準が底になり、マザーズ指数も24日の安値618.7ポイントが底になった可能性が高い。今後、米国長期金利の低下が顕著になれば外国人投資家はグロース株を買い戻す動きがはっきり表れそうだ。グロース市場が復活する鍵は外国人投資家が握っている。また、政府は新興企業の成長を後押し、支援することで魅力的な市場にすることが求められる。

潮流銘柄は?

潮流銘柄はソシオネクスト(6526)、鹿島建設(1812)、シチズン時計(7762)。

 

岡山 憲史(株式会社マーケットバンク 代表取締役)プロフィール

マーケットバンクは1999年12月8日の設立から投資支援システムの開発・販売、金融情報サービス、投資売買助言、運用コンサル等を行っている。
2002年には画期的なペアトレード「ハイブリッドシステム」を開発。NHK番組「経済最前線」で紹介される。
2006年にテクニカル分析システム「マーケットルーラー」を開発。2007年にはテクニカル応用ツール「窓チャートシステム」を開発。2つの投資分析システムは全国の投資ソフト450本の中で共に人気ランキング1位となり、高い評価を得る。また、日経225先物運用システムを開発し、実践に活かしている。

代表の岡山憲史氏は1999年2月 日本初の資産運用コンテスト「第一回S1グランプリ」にて1万人超の参加者の中から優勝。
このコンテストはスカイパーフェクTVの資産運用情報番組「インベステーション」が主催。ゴールドマン・サックス投信、クレディスイス投信、野村アセットマネジメント投信などの協賛を得て行われたもので、プロの運用担当者などを含む1万人超の参加者を集めて実施。コンテストの開催時期(98年11月16日~99年2月15日)で、1億円の資金を1億3112万円(運用期間年利回り124%)に増やすという高成績をあげ、文句なしの優勝を果たす。
第二回大会においても、2カ月間で1億円の資金を2億1600万円に倍増させ、6位入賞。
2002年 1月 NHK番組「経済最前線」にて独自の投資支援システムが紹介される。
2005年12月 TBS番組「筑紫哲也のNEWS23」にて勝ち組企業として紹介される。
2017年 1月 夕刊フジ主催の「株-1グランプリ」において優勝。
2020年 1月 夕刊フジ「激闘!!株-1(カブワン)グランプリ」で優勝。
2022年 1月 夕刊フジ主催「株-1グランプリ」で優勝。
株式市場新聞、週刊ポスト、週刊現代、フライデー、月刊カレント等を執筆。
個人投資家に投資情報や個別銘柄、日経225先物の助言業務を行っている。

提供:株式市場新聞社 marketpress.jp




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