日本の年末ラリーに期待【潮流】岡山 憲史

潮流|株式市場新聞
目次

日銀は現状維持

日銀は12月19日の金融政策決定会合で、大規模な金融緩和策の現状維持を決めた。金融市場ではマイナス金利政策の早期解除観測が浮上していたが、日銀は見送った。
長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)についても、長期金利の上限のめどを1%とする現在の運用の継続を決めた。金融政策の先行き指針(フォワードガイダンス)も変えなかった。植田総裁は会見で「チャレンジング」発言の趣旨について「今後の仕事の取り組み姿勢について、一段と気を引き締めるというつもり」のものだったと釈明した。

ヘッジFが株価指数先物に買い戻し

来年1月に金融緩和政策を見直すことはないだろうとも述べた。外国為替市場では円安・ドル高が進み、1ドル=144円95銭と前日から2円以上下落した。植田総裁が12月7日の国会での「チャレンジング」発言で急速な円高・株安が進んだが、植田総裁の金融緩和政策スタンスに変化がないと分かるとマクロ系ヘッジファンドが株価指数先物に買い戻しを入れ、株価を大きく押し上げた。

一時、年初来高値を更新したが・・・

植田総裁がチャレンジング発言をする前の12月6日の日経平均は3万3445円であったが、8日には3万2205円と2日間で1240円も下げた。一方、19日の日銀政策決定会合と植田総裁発言で日経平均は2日間で1066円上昇し、20日には一時、3万3824円を付け、年初来高値を更新した。

「円キャリー取引」が後退

ただ、外為市場でドル円の動きを見るとチャレンジング発言前のドル円レートは1ドル=147円であったが、そこまで戻りきれていない。これは、低金利の円を借り外貨に投資する「円キャリー取引」が後退しているからだ。11月中旬まで日米の金利差収入を狙った「円キャリー取引」が活発化して円売りを促した。

上昇相場の第2弾は?

市場の米利下げ見通しや日銀の政策修正時期は完全には定まっていない。円キャリー取引のやりにくさは続くとみられる。円売りを支えていた円キャリー取引が解消されれば、急速な円高圧力となることには警戒が必要だ。日経平均はこれまで7月3日の終値ベースでの年初来高値である3万3753円近辺で何度も跳ね返されてきたが、終値で年初来高値を上回れば、年前半のような上昇相場の第2弾が始まる可能性がある。日本の年末ラリーに期待したい。

潮流銘柄は?

潮流銘柄はサックスバーホールディングス(9990)、フィックスターズ(3687)、TWOSTONE&Sons(7352)。

岡山 憲史(株式会社マーケットバンク 代表取締役)プロフィール

マーケットバンクは1999年12月8日の設立から投資支援システムの開発・販売、金融情報サービス、投資売買助言、運用コンサル等を行っている。
2002年には画期的なペアトレード「ハイブリッドシステム」を開発。NHK番組「経済最前線」で紹介される。
2006年にテクニカル分析システム「マーケットルーラー」を開発。2007年にはテクニカル応用ツール「窓チャートシステム」を開発。2つの投資分析システムは全国の投資ソフト450本の中で共に人気ランキング1位となり、高い評価を得る。また、日経225先物運用システムを開発し、実践に活かしている。

代表の岡山憲史氏は1999年2月 日本初の資産運用コンテスト「第一回S1グランプリ」にて1万人超の参加者の中から優勝。
このコンテストはスカイパーフェクTVの資産運用情報番組「インベステーション」が主催。ゴールドマン・サックス投信、クレディスイス投信、野村アセットマネジメント投信などの協賛を得て行われたもので、プロの運用担当者などを含む1万人超の参加者を集めて実施。コンテストの開催時期(98年11月16日~99年2月15日)で、1億円の資金を1億3112万円(運用期間年利回り124%)に増やすという高成績をあげ、文句なしの優勝を果たす。
第二回大会においても、2カ月間で1億円の資金を2億1600万円に倍増させ、6位入賞。
2002年 1月 NHK番組「経済最前線」にて独自の投資支援システムが紹介される。
2005年12月 TBS番組「筑紫哲也のNEWS23」にて勝ち組企業として紹介される。
2017年 1月 夕刊フジ主催の「株-1グランプリ」において優勝。
2020年 1月 夕刊フジ「激闘!!株-1(カブワン)グランプリ」で優勝。
2022年 1月 夕刊フジ主催「株-1グランプリ」で優勝。
株式市場新聞、週刊ポスト、週刊現代、フライデー、月刊カレント等を執筆。
個人投資家に投資情報や個別銘柄、日経225先物の助言業務を行っている。

提供:株式市場新聞社 marketpress.jp




株式市場新聞 marketpress.jp 株式ニュースと話題の銘柄

購読会員限定コンテンツ

Pocket

潮流|株式市場新聞

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次