【潮流】岡山 憲史~個人投資家を育ててこそ先進国家

潮流|株式市場新聞

夢を与える政策を

4月第4週の投資部門別株式売買動向(東京・名古屋2市場、1部、2部と新興企業向け市場の合計)によると、海外投資家(外国人)は4週連続で買い越した。買い越し額は2849億円で、今年最大。4月に入ってから7555億円買い越したことになる。
一方、個人投資家は3週連続で売り越した。売り越し額は4448億円と約5カ月ぶりの高水準。4月に入ってから5836億円売り越した。アベノミクス相場がスタートした2012年からの売買動向を見ると外国人は2012年に2兆8264億円買い越した。13年度には15兆円も買い越した。14年度は8526億円の買い越し。しかし、15年度は3257億円の売り越し。16年度は3兆6887億円の売り越しとなった。また、個人投資家は2012年度に1兆9111億円売り越し。13年度に8兆7508億円も売り越した。14年度も3兆6323億円、15年度は4兆9299億円、16年度も3兆1623億円売り越しが続いた。2012年からの個人投資家の売り越し額は合計で22兆4000億円にもなっている。
一方、この期間の外国人は約14兆円の買い越しである。日経平均はアベノミクス相場が始まる前は8000円台だった。それが2015年7月には2万952円まで上昇して高値を付けた。7月以降、2016年2月と6月に1万4000円台まで下落した。その後、2017年5月には2万円まで回復した。このように外国人の売買動向と日経平均の動きは、ほぼ一致していることが分かる。つまり、日本の株式市場は外国人が買えば上昇し、外国人が売れば下落する。外国人の売買動向が日本の株式市場の方向性を占う上で重要であることが分かる。
ただ、残念なのは日本の個人投資家が継続して日本の株を売っていることだ。新たに買いを入れる投資家は少なく、保有株が買値を上回ったら手放したい投資家が多い。こんな状態だから日本の景気回復に実感がわかないのだ。政府は個人投資家に夢を与える政策を打ち出すべきだ。誰もが日本の将来に明るさを感じれば、自ずと個人投資家は買い越しに転じる。そのためには外国人によるHFT(超高速・高頻度取引)を利用した日経225先物取引を排除し、個人投資家が参加しやすい市場環境を構築することが必要だ。株価を上昇させるには投資マインドを高めることが最も重要なのだ。
潮流銘柄はティーケーピー(3479)、アイレックス(6944)、ウェーブロックホールディングス(7940)。
◆岡山 憲史(株式会社マーケットバンク 代表取締役)プロフィール◆

1999年2月 日本初の資産運用コンテスト「第一回S1グランプリ」にて約1万人の参加者の中から優勝。
このコンテストはスカイパーフェクTVの資産運用情報番組「インベステーション」が主催、
ゴールドマン・サックス投信・クレディスイス投信・野村アセットマネジメント投信などの協賛を得て行われたもので、
プロの運用担当者などを含む1万人以上の参加者を集めて実施。
コンテストの開催時期(98年11月16日~99年2月15日)は日本株式市場がバブル後最安値を付けに行く最悪の環境にもかかわらず、
1億円の資金を1億3112万円(運用期間年利回り124%)に殖やすという脅威の成績をあげ文句なしの優勝を果たす。
第二回大会においても、2ヶ月間で1億円の資金を2億1600万円に増加させ、6位入賞。
1999年12月8日にマーケットバンク設立。17年以上にわたって株式投資で安定した高パフォーマンスを継続して出すことのできる
画期的な運用手法とサービスを提供している。

2002年1月にNHK番組「経済最前線」にて独自の投資支援システムが紹介される。
2005年12月TBS番組「筑紫哲也のNEWS23」にて勝ち組企業として紹介される。
直近では2017年1月に始まった夕刊フジ主催の「株-1グランプリ」において優勝。
1ヶ月間で3銘柄の合計パフォーマンスを競います。最終のパフォーマンスは155%と断トツの結果。
週刊現代、週刊ポスト、夕刊フジ、ネットマネー、月刊カレントなど幅広く執筆活動を行っている。

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