外国人は一転して6611億円の売り越し
1月第1週(4~5日)の日経平均先物とTOPIX先物の投資部門別売買動向によると、海外投資家(外国人)の買越額は1287億円で、現物株と合わせると6138億円の買い越しとなった。しかし、1月第2週(9日~12日)の日経平均先物とTOPIX先物の投資部門別売買動向によると、外国人は一転して6611億円の売り越しに転じた。約2年1カ月ぶりの大きさだ。
昨年、11月半ばから12月にかけて外国人は日本の株を大幅に売り越しており、今年に入ってからの外国人の売買動向が今年の株式市場の方向性を占う上で重要であった。
日銀の金融緩和政策に変化
1月4日の大発会に日経平均は741円高の2万3506円と急上昇して始まった。4日からの3日間で外国人は6138億円も買い越しており、日経平均の大幅上昇は外国人投資家によるものと分かる。これで今年の日本株式市場も米国同様上昇に勢いづくと思われたが、外国人は一転して1月第2週は6611億円の売り越しとなった。その理由は日銀の金融緩和政策に変化が生じたからだ。
為替市場にも大きなインパクト
9日に日銀は2016年12月以降手付かずだった残存期間10年超25年以下の長期国債の買い入れ金額を減額したのだ。さらに、17年11月以来となった25年超の超長期国債も減額し、為替市場にも大きなインパクトを与えた。通常は日銀の国債買いオペ(公開市場操作)に円相場がいちいち反応することはない。しかし、海外では「18年は日銀が長期金利の誘導目標を引き上げるかもしれない」との観測が根強くある中での減額通知とあって、海外マネーが日本株式市場から流出し、1ドル=113円だったドル円が110円10銭台まで急速に円高が進んだ。
米国株高に救われた日本株
一方、米ダウ工業株30種平均は史上初の2万6000ドル台到達と日経平均の上値が重い中、今年に入っても上昇の衰えを見せない。日経平均は米国株高に救われて18日には210円高の2万4084円と2万4000円台の高値を付ける場面があったが大引けは104円安い2万3763円と下落して終わった。
投機筋に隙を見せるな!
米国株式市場が大幅上昇しても日本の株が上昇しないと投資家心理は弱くなる。日銀は長期国債の減額がこれほどのダメージを与えるとは予想していなかったに違いない。黒田日銀総裁は金融緩和維持を明確に市場へ示す必要がある。ヘッジファンドなど投機筋に隙を見せてはならないのだ。
潮流銘柄は?
潮流銘柄はJESCOホールディングス(1434)、Mipox(5381)、HANATOUR JAPAN(6561)。
岡山 憲史(株式会社マーケットバンク 代表取締役)プロフィール
1999年2月 日本初の資産運用コンテスト「第一回S1グランプリ」にて約1万人の参加者の中から優勝。
このコンテストはスカイパーフェクTVの資産運用情報番組「インベステーション」が主催、
ゴールドマン・サックス投信・クレディスイス投信・野村アセットマネジメント投信などの協賛を得て行われたもので、
プロの運用担当者などを含む1万人以上の参加者を集めて実施。
コンテストの開催時期(98年11月16日~99年2月15日)は日本株式市場がバブル後最安値を付けに行く最悪の環境にもかかわらず、
1億円の資金を1億3112万円(運用期間年利回り124%)に殖やすという脅威の成績をあげ文句なしの優勝を果たす。
第二回大会においても、2ヶ月間で1億円の資金を2億1600万円に増加させ、6位入賞。
1999年12月8日にマーケットバンク設立。17年以上にわたって株式投資で安定した高パフォーマンスを継続して出すことのできる
画期的な運用手法とサービスを提供している。
2002年1月にNHK番組「経済最前線」にて独自の投資支援システムが紹介される。
2005年12月TBS番組「筑紫哲也のNEWS23」にて勝ち組企業として紹介される。
直近では2017年1月に始まった夕刊フジ主催の「株-1グランプリ」において優勝。
1ヶ月間で3銘柄の合計パフォーマンスを競います。最終のパフォーマンスは155%と断トツの結果。
週刊現代、週刊ポスト、夕刊フジ、ネットマネー、月刊カレントなど幅広く執筆活動を行っている。
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