ブレーキとアクセルを同時に踏み混乱
イギリスのトラス政権は1972年以来の大規模な減税を打ち出しました。高額所得者の所得税最高税率45%を廃止し、基礎課税も20%から19%に引き下げます。また、不動産購入時の印紙税も削減し、個人や企業が直面する光熱費の高騰に対し、今後6カ月間で600億ポンド(約9兆5000億円)を拠出し、支援するということです。総額では25.5兆円の経済対策となりますが、インフレに対処するためにイングランド銀行は既に利上げに転じており、ブレーキとアクセルを同時に踏み込むことが混乱を呼んでいます。
英国トリプル安が米国市場に波及
米FRBは景気を犠牲にしてもインフレを押さえ込むことを優先していますが、英国はイングランド銀行が既に景気後退が始まっていると指摘していることから、新政権としてはリセッションに歯止めを掛けたいということなのでしょうが、大規模な経済対策による政府債務が管理不能になるのではといった不安が高まってきました。そのため先週末23日の英国市場は株安・債券安・通貨安というトリプル安と反応。この流れが米国市場にも波及しました。
米国主要3指数ここで踏みとどまれるか
23日の米国市場では主要3指数が4日続落し、中でもNYダウが6月安値をザラ場・大引けともに年初来安値を更新。S&P500とナスダックは6月安値を割り込んではいませんが、S&P500はあと57ポイント、ナスダックは302ポイント下げれば割り込んでしまいます。極めて悪いチャート形状となっており、ここで踏みとどまれるのかどうかといったところです。
ダウントレンドも目先はリバウンド
日経平均は下に残していた日足の窓を全て埋めました。先週から主要な移動平均線を日足、週足、月足で割り込んでしまいました。流れは明らかにダウントレンドとなっていますが、昨日の急落で9月13日高値(2万8659円)からは日足で四空形成となり、25日移動平均線との乖離もマイナス5%に近づいてきました。超目先的にはリバウンドする可能性が高いとみており、問題はその値幅がどれくらいかということでしょう。
流れは戻り売り
流れは戻り売り対処ということになりますが、売り場はそのリバウンドを待ってということになりそうです。
日々勇太朗
提供:株式市場新聞社 marketpress.jp
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