ドイツ銀は劣後債を早期償還
昨日の東京株式市場は3日ぶりに反発しました。先週末の欧州市場ではドイツ銀行は同社が保有する劣後債 (Tier2劣後債) に関し、本来2028年に償還するところを早期償還すると決定しました。クレディ・スイスのAT1債が全額ゼロ償還されたことを受け、社債に対して疑心暗鬼になっているところであり、ドイツ銀行は財務の健全を訴えたかったのでしょう。
楽観的アナリストレポートで懸念後退
しかし、ドイツ銀行の株価は一旦大きく売り込まれました。ドイツ銀行は以前から危ない銀行と見られてきたために、早期償還させることで逆に財務が棄損する可能性を株価は織り込みにいった形だと思われます。ただ、複数のアナリストがドイツ銀行はクレディ・スイスと違い過去8四半期黒字を計上しており、柔軟性があると楽観的なレポートを発表したため懸念が後退しました。
銀行株まだ疑心を払うには至らず
昨日の東京株式市場は反発しましたが、銀行株にはまだ疑心を払うほどには至っていません。それでも日経平均もTOPIXも、そしてNYダウやS&P500、ナスダックなどもシリコンバレー銀行の破綻やクレディ・スイス危機で下落した安値を割り込むことなく推移しており、しばらくはこの問題で乱高下はあるかもしれませんが、株価自体は「今回は大丈夫」と訴えている節があります。
米銀破綻に関する公聴会が最大注目
今週のスケジュールを見ると重要な経済指標の発表は少なく、注目は28~29日に米上下両院で行われる米銀破綻に関する公聴会が最大注目となります。ここで不安が打ち消されると、各国の株価は調整一巡で大きく浮上する可能性が高いと思われます。
サイクルからはボトム打ち
日経平均は1月安値から今週で13週目を迎えます。過去のサイクルからは来週ないし再来週にボトム打ちというのがリズムではありますが、ドル円が切り返しだしてきただけに、配当取りの動きも活発化してボトム確認は既に繰り上げられているかもしれません。
アステラス薬とIHI
ということで、今回は予想配当利回り3%前後で週足RSIが30%未満、ストキャスティックのFast、Slowともに30%未満のプライム市場銘柄の中からアステラス製薬<4503>とIHI<7013>を注目銘柄として挙げておきたいと思います。
日々勇太朗
提供:株式市場新聞社 marketpress.jp
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