上げるための下げが必要【転ばぬ先のテクニカル】

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日本製半導体ロシア流入報道で売られる

19日の東京株式市場は反落しました。19日の米国市場はジューンティーンスの振替休日で休場のため、海外勢のフォローが限られる中で、日本経済新聞の一面トップで「日本メーカーの半導体がウクライナ侵攻後もロシアに流入していることが日本経済新聞の調査でわかった。1年強で少なくとも約15億円分が取引されていた」との報道で半導体関連銘柄が朝から売られました。

対象が直接輸出に限られ規制に限界

日本は昨年3月に米国の制裁に足並みをそろえ、自国の半導体のロシアへの輸出を規制しました。しかし、米国は第三国の企業にも制裁を科す仕組みを持ちますが、日本が法的根拠とする外国為替及び外国貿易法は、対象が日本からの直接輸出に限られており、限界があります。

輸出規制強化の可能性高いと市場は踏む

記事では中国など第三国経由でロシアに輸出されているということです。先のG7(広島サミット)の声明で「我々の措置の回避や迂回をさらに阻止する」と強調しており、今後、法改正などで輸出規制が強化される可能性が高いと市場は踏んだようです。

後場利食い持ち込まれ下げ幅拡大

それでも前場段階での下落は208円安でとどまり、その後、押し目買いが入って18円高の3万3724円で取引を終了。値上がり1153銘柄、値下がり596銘柄と指数以上に強い印象でしたが、後場に入ると利食いが持ち込まれだして下げ幅を拡大する展開となりました。

切っ掛け一つで値幅大きく出るのが今の相場

先週まで日経平均は10週連騰したことで、切っ掛け一つで値幅が大きく出るのが今の相場。しかも、先週末の米国市場はクワドルプル・ウィッチング。日本で言うところのメジャーSQを通過したところであり、株価指数先物取引、株価指数オプション取引、個別株先物取引、個別株オプション取引が期日を迎えました。

時間外のダウの下げを利食いの材料に

このクワドルプル・ウィッチング通過後の米国市場は数日弱含みするケースが多いものです。そのため時間外取引でNYダウが70ドル程度ダラダラ下げいることを利食いの材料にしたのかもしれません。いずれにしても、この先更に大きな相場に発展するためには、一旦下げる必要があります。上げるために下げる。

2~3週調整しても違和感ない

16日段階で日経平均の25日線乖離は6.9%で、過熱とされる5%超を6日間維持していたのです。分母が大きくなったことで、400円下げてもたかが1.2%です。10週の上げに対し2~3週調整しても全く違和感はありません。

日々勇太朗

 

提供:株式市場新聞社 marketpress.jp

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