円高転換【転ばぬ先のテクニカル】

転ばぬ先のテクニカル|証券市場新聞
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寄り直後に最高値更新も円高嫌気して下落

本日の東京株式市場は、寄り付き直後に日経平均は最高値を更新しましたが、その後、急速な円高進行を嫌気してズルズルと下落しました。

米主要3指数反発も限定的

6日の米国市場は主要3指数が反発しました。ADP雇用報告が市場予想を下回ったことで、労働市場のひっ迫緩和を示唆したため、年内の利下げ期待が強まり、株価を支えました。また、パウエルFRB議長は下院金融委員会での議会証言で、利下げを急がない方針を再表明すると同時に、年内いずれかの時点で、利下げが適切になる可能性が高いと言及すると、相場は終日堅調に推移しました。ただ、NYダウ、ナスダック指数は反発も日足は陰線、S&P500は十字足と反発は限定的でした。

148円台半ばまで円高が進む

さて、ドル円相場が円高転換したようです。本日は148円台半ばまで円高が進みました。前日に日銀のマイナス金利解除観測を巡る一部報道が出たことや、本日は日銀の中川順子審議委員が講演で、物価目標の実現に向けて「着実に歩みを進めている」と発言したことなど材料視されたこと、また、スーパーチューズデーでトランプ氏が圧勝し、共和党候補が確実になったことが要因かもしれません。

半値押し水準割り込むと146.80円目指す

先日も指摘しましたが、ドル円は2月13日に大きな陽線を立て、その後、15日間はこの陽線の中で横ばう孕みとなっていましたが、昨日から陽線の下値を割り込みだし、25日線を下回ると同時に5日線と25日線がデッドクロスしました。2月1日の145.89円から2月13日に150.88円まで円安進行しましたが、この半値押しが148.38円で、ここには一目均衡表の基準線が位置しています。ここが止まり目になると思われますが、割り込む場合は75日線の走る146.80円を目指しましょう。12月28日の140.25円から計算すると半値押しは145.55円となります。

重要変化日で株価は急反転

昨日の当欄では「今週は本日を中心に前後2日間が重要変化日となっていますが、ここで下方転換がない場合、4月24日前後まで上昇基調を継続する可能性が高まります。逆にこの変化日で調整局面入りとなるならば、4月24日前後まで、ある程度値幅を伴った下落に見舞われると思われます」としましたが、やはりこの重要変化日で株価は急反転となりました。

日足陰線包み足で一旦天井打ち

日経平均は買い先行から9時5分には前日比381円高の4万472円までありましたが、その後急落して3万9518円安値までありました。高値からは954円幅もの下落です。日足は最高値から前日の陽線を包み込む陰線包み足となりました。これで昨年10月4日を起点とする上昇相場に亀裂が入り、一旦は天井打ちしたものと思われます。

今朝の高値が今年の高値になりうる

上げが一方的だっただけに、一旦天井を打つと、下げ幅が大きくなりやすいものです。どのあたりで底打ちするか今後の流れを見ていかねば分かりませんが、今朝の高値が今年の高値になりうると思っています。

名目GDPとの相関関係では来季分まで織り込む

聞いた話ですが、日経平均と日本の名目GDPには相関関係があるそうです。2023年のGDPは597兆円でしたので、日経平均は3万3000円が妥当でした。2024年のGDPは615兆円とされていますので、3万7150円妥当値で、4万円まで上昇した株価は割高な水準です。来季の名目GDPは640兆円を超えると言われています。来季分まで株価は織り込んで上がってしまったというのが現状だと思います。暫く冷静に相場動向を見ていきましょう。

日々勇太朗

 

提供:株式市場新聞社 marketpress.jp
 

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