NY離れしだした日本株【転ばぬ先のテクニカル】

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投げ一巡感から4週ぶり反発

先週の東京株式市場は4週ぶりに反発しました。米国市場は貿易戦争の激化による景気への悪影響懸念で主要3指数は続落続きでしたが、東京市場は先に底割れしていたことで、投げ一巡感が出てきたようです。

売り先行も押し目買い入りNY市場の影響薄れる

数年前までは中国市場が下げると、そのヘッジ手段として日本の株価が売られた経緯がありました。また「NYがくしゃみをすると、日本は風邪をひく」と言われたものですが、最近は寄り付きこそ売り先行で下落スタートするものの、その後は押し目買いが入り、NY市場の影響が薄れてきました。いわゆるNY離れの様相が見て取れる訳です。

米景気先行き不透明感から割安市場や安全資産へ

これは先日もお伝えしたことですが、NY市場や仮想通貨は崩れていますが、金(ゴールド)や欧州市場は強く、資金が米国から欧州へ、仮想通貨からゴールドやシルバーなどの貴金属へと振り向けられているようです。米国景気の先行き不透明感から割安な市場や安全資産への選好ということでしょう。

NYダウPER23倍に対して日経平均は15倍

現在、NYダウの株価収益率(PER)は23.5倍、S&P500のそれは21.0倍なのに対し、ドイツのDAXは17.4倍、フランスのCAC40が16.0倍。欧州は連続利下げを繰り返してきましたので、先行きの景気の持ち直し期待による株高で、NY市場は貿易戦争による高関税政策で先行きの景気失速懸念という構図です。なによりも日経平均のPERが14.85倍、TOPIXも14.7倍です。割高市場の崩れに割安市場がお付き合いする必要はありません。

メジャーSQは「幻のSQ値」

さて、先週末14日は先物・オプションの特別清算日、メジャーSQでした。SQ値は3万6483.79円で着地。現物市場の安値は3万6594.04円ですので、「幻のSQ値」となりました。このことは、強気材料として捉えることが出来ます。

週足下髭付で上を取り変化日に上昇

先週は一時3万6000円割れがありましたが、先々週の終値は3万6887.17円でしたので、週足は下髭付で上を取ることになりました。また、14日は日柄変化日でしたので、その変化日に上昇しだしたことから、日本株の調整局面が終わりに近づいている印象です。

3万8000円に近づくと戻り売り圧力高まる

もっとも、昨年10月以降の日経平均は、上値が4万円近辺、下値が3万8000円近辺のボックス相場でした。先月からこのボックス下限を下放れたことから、当面は3万6000円~3万8000円のボックスだと考えねばなりません。3万8000円に近づくと、戻り売り圧力が高まると考えねばならないと思います。

配当取りの買いにより下値堅くなる

今月は決算期末を迎えます。配当権利付き最終売買日は3月27日です。来週以降は配当取りの買いにより下値が堅くなるものと思われます。

NYは納税資金確保のため売られるケース

尚、NY市場の影響は4月半ばまではある程度受けることでしょう。米国では所得税の確定申告は4月15日です。例年、申告時期が近づくと、納税資金確保のために株価が売られるケースがあります。

一時的売られても下値切り上げればトレンド転換

ただ、海外発の悪材料などで一時的に売られても、その都度、下値を切り上げていければ相場はトレンド転換したと見ることができますので、期待したいものです。

日々勇太朗

 

提供:株式市場新聞社 marketpress.jp
 

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