藤原 佐一郎社長に聞く【昭栄薬品】|トップインタビュー

昭栄薬品(3537)は天然油脂を原材料とするオレオケミカル中心の化学品商社。日用品や土木建設資材にも展開しており、人々の生活のあらゆる分野で同社は重要な役割を担っている。今後の戦略を藤原 佐一郎社長に聞いた。

藤原 佐一郎社長

目次

化学品が復調し1Qは大幅増収

― 8月6日に発表された22年3月期の第1四半期(4~6月)決算では売上高で前年同期比23.5%増の50億7600万円と大幅な増収を達成されていますね。
藤原社長 役員の異動や退職に絡む一時的な費用増が利益を圧迫したが、収益面では、一年前に新型コロナの影響を受けていた化学品の復調が大きい。

海外輸出向けが伸びる

― 化学品では具体的にどのような分野で御社の製品が使用されているのですか?

藤原社長 当社はアルコールなどの基幹ケミカルズはもとより、誘導体にいたるまで、幅広いオレオケミカルズを提供している。産業界から日常生活まで、再生産が可能で環境負荷が低いパームやヤシ等の天然油脂由来の油脂化学品は界面活性剤を筆頭に様々な製造工程で使用されており、第1四半期では自動車関連や繊維油剤関連の主要得意先からの受注が好調だった。特に中国を筆頭に海外輸出向けが伸びている。

眼鏡くもり止めシートなどは好調を維持

― コロナ禍では日用品が伸びていましたね。

藤原社長 当社は家庭用や業務用洗剤等を顧客企業と共同企画し、OEM供給を行っている。巣篭もり需要は落ち着いているものの、量販ルート等で取り扱う清掃用品、洗濯槽クリーナーや眼鏡くもり止めシートは好調を維持している。

第2四半期までは計画通リ達成意欲

― 通期予想(連結売上高で前期比2.9%増の175億2000万円、営業利益で同3.4%減の1億52000万円)達成へ向けて今後の見通しを教えてください。

藤原社長 新型コロナの感染状況や中国など海外動向の不透明要因があるものの、第2四半期までは計画通リ達成できる手応えは感じている。

環境関連分野にも注力

― 今後、土木建設資材関連では環境関連分野に注力されていますね。

藤原社長 工業的に広く使われているV.O.C(揮発性有機化合物)などによる土壌汚染が問題視されている。これは通常、バクテリアを利用して問題物質を分解するのだが、このバクテリアでの分解を促進する開発支援を行っている。今秋にプレスリリースできるよう、これに絡む準備も協業先と進めている。

25%以上の配当性向目標

― 株主還元について教えてください。

藤原社長 将来の事業展開のために必要な内部留保を確保しつつ、安定配当を継続実施する方針で25%以上の配当性向を目標にしている。

記者の視点

化学品と日用品、土木建設資材を3本柱にしており、前期は新型コロナ感染拡大で経済活動に大きな影響がでるなかで、化学品の停滞を日用品の拡大でカバーしている。全天候型の経営で国内外の景気動向に左右されず安定的な経営を続けているのが魅力だ。環境分野での展開も今後が期待され、投資妙味が高まりそうだ。

提供:株式市場新聞社 marketpress.jp

by 株価チャート「ストチャ」

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