米国株をアウトパフォームする日本株|光世証券・取締役 西川雅博氏【相場展望】

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歴史的にもまれな複合的逆境

今世界の金融市場は、QEからQTへの米国金融政策の大転換、ロシアによるウクライナ侵攻、コロナ感染による供給制約と歴史的にもまれな複合的逆境にさらされている。

ようやく反転の動き

米国株は5月中旬まで8週間連続安を記録するなど大幅調整を余儀なくされたが、ここに来てようやく反転の動きが見られる。インフレ率は依然高いものの景気指標が減速し長期金利の上昇が一段落したことが背景だろう。

自律反発の域は出ていない

ただ、短期的な下げ過ぎに対するテクニカル的自律反発の域は出ていない。金融政策によってインフレを抑制しながら景気後退を回避するという難しいかじ取りがうまくいくかどうかの見極めにはしばらく時間がかかるだろう。

金融引き締めペースダウンのハードルは高い

景気動向次第で金融引き締めのペースダウンの可能性が取り沙汰されているが、エネルギー価格を始めインフレ率が抑制されていることが前提であり従来に比べハードルは高い。ウクライナ侵攻から3カ月以上経過したが、世界経済への影響は長期化するとの見方が大勢だ。インフレがピークアウトして金融引き締めがペースダウンするとの期待は時期尚早だろう。

資本市場の安定成長に軸足

一方、依然米国株の影響を受ける日本株だがここに来て米国株をアウトパフォームする傾向が見られる。実際、足元でグローバル投資家に日本株のウエイトを引き上げる動きがあるようだ。また、岸田政権は最近になって市場の声に耳を傾けたのか、国内景気や「貯蓄から投資へ」と資本市場の安定成長に軸足を移しつつある。7月の参院選とその後11月の米国の中間選挙というタイムスケジュールは要注目だろう。
会社発表の今期利益予想は平均▼3%程度と慎重だが、為替水準やコロナのリベンジ消費、供給制約の緩和から上振れの可能性も十分あると見ている。

注目銘柄は?

現在日経平均の増益率はコンセンサスで△5%だが、アベノミクス以降の平均PERを当てはめれば3万1000円台半ばである。年後半に向け世界経済が失速しないことが条件とは言え現値2万7000円台との乖離幅4000円は魅力的だ。低PER、低PBRのバリュー株の中で円安メリットから外需依存度の高い銘柄と内需株では価格決定力ある銘柄に注目している。
個別では資生堂(4911)ミネベアミツミ(6479)など。

光世証券・取締役 西川雅博氏プロフィール

1960年奈良県生まれ 1983年早稲田大学政治経済学部卒、大和証券入社 1990年より光世証券 法人部、営業部長、現在コンサルティンググループ担当

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