政府に忠実な新日銀総裁【潮流】岡山 憲史

潮流|株式市場新聞
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サプライズな新総裁

4月に退任する黒田東彦日銀総裁の次の新総裁として、経済学者の植田和男氏を起用することが一斉に報じられたのに対し、国内外の金融関係者からは「サプライズ」との反応が示された。
現副総裁の雨宮氏ではなく植田氏の起用が伝わると、株と債券市場は売りで反応し、外為市場では円が買われ、円高が進んだ。しかし、植田氏が現在の金融緩和政策は維持すると発言すると株式市場は買いが入り、外為市場で円が売られ、円安が強まった。

YCCの撤廃に踏み切る?

外資の投資家は植田氏が経済情勢を見極め、就任後は長短金利操作(イールドカーブ・コントロール=YCC)の撤廃に踏み切ると予想している。世界最大の運用会社、米ブラックロックは賃金上昇とインフレ動向から日銀は現在の金融緩和政策をやめると想定。日銀の政策転換が世界的な債券利回りの上昇を招き、投資家のリスク選好度を低下させる可能性があると判断し、日本株の投資判断を「中立」から「アンダーウエート(弱気)」に引き下げた。

24日の所信表明演説がでの発言が重要

アンダーウエートは約1年半ぶりとなる。植田氏は2016年に「いまの金融政策は金融機関のためにならない」と言ったり、「ハイパーインフレになる」と言ったこともある。そういう発言を国会で、今でも同じかどうかを問わなければならないだろう。2月24日に日銀新正副総裁候補の所信表明演説があり、植田氏の発言が重要だ。金融市場は敏感に反応するだろう。

新副総裁となる内田氏は?

また、新副総裁となる内田氏は雨宮氏とともに政策決定のキーマンとして、大規模緩和やマイナス金利政策、YCCなどの導入を実務面から支えてきた。2022年5月には国会で、日銀が許容する長期金利の変動幅の上限を当時の0.25%程度から引き上げることについて「事実上利上げとなり、日本経済にとって好ましくない」との認識を示す場面もあった。

一見バランスが良いように見えるが・・・

もう一人、新副総裁となる氷見野氏は大蔵省(現財務省)に入省後、金融庁に籍を置いた。新総裁の下では国際金融や金融システムの安定といった観点から体制を支えていくとの見方がある。今回の日銀新正副総裁候補者選出は一見バランスが良いように見えるが、雨宮氏が総裁を固辞したことでも分かるように、政府の方針に忠実である人物を選んだように見える。

潮流銘柄は?

潮流銘柄はTYK(5363)、三菱製鋼(5632)、三信電気(8150)。

 

岡山 憲史(株式会社マーケットバンク 代表取締役)プロフィール

マーケットバンクは1999年12月8日の設立から投資支援システムの開発・販売、金融情報サービス、投資売買助言、運用コンサル等を行っている。
2002年には画期的なペアトレード「ハイブリッドシステム」を開発。NHK番組「経済最前線」で紹介される。
2006年にテクニカル分析システム「マーケットルーラー」を開発。2007年にはテクニカル応用ツール「窓チャートシステム」を開発。2つの投資分析システムは全国の投資ソフト450本の中で共に人気ランキング1位となり、高い評価を得る。また、日経225先物運用システムを開発し、実践に活かしている。

代表の岡山憲史氏は1999年2月 日本初の資産運用コンテスト「第一回S1グランプリ」にて1万人超の参加者の中から優勝。
このコンテストはスカイパーフェクTVの資産運用情報番組「インベステーション」が主催。ゴールドマン・サックス投信、クレディスイス投信、野村アセットマネジメント投信などの協賛を得て行われたもので、プロの運用担当者などを含む1万人超の参加者を集めて実施。コンテストの開催時期(98年11月16日~99年2月15日)で、1億円の資金を1億3112万円(運用期間年利回り124%)に増やすという高成績をあげ、文句なしの優勝を果たす。
第二回大会においても、2カ月間で1億円の資金を2億1600万円に倍増させ、6位入賞。
2002年 1月 NHK番組「経済最前線」にて独自の投資支援システムが紹介される。
2005年12月 TBS番組「筑紫哲也のNEWS23」にて勝ち組企業として紹介される。
2017年 1月 夕刊フジ主催の「株-1グランプリ」において優勝。
2020年 1月 夕刊フジ「激闘!!株-1(カブワン)グランプリ」で優勝。
2022年 1月 夕刊フジ主催「株-1グランプリ」で優勝。
株式市場新聞、週刊ポスト、週刊現代、フライデー、月刊カレント等を執筆。
個人投資家に投資情報や個別銘柄、日経225先物の助言業務を行っている。

提供:株式市場新聞社 marketpress.jp




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